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ショッピングモールを周り、気に入った物をヒョイヒョイ買うセレブな二人は会話を途切れさす事が無かった。
「あのシャツ絶対似合うわ、ブーツも凄く可愛いかった」
「ホントにー?じゃあ明日ブレザーの下はあれ着ていこうかなー、ブーツも」
「それ凄く素敵!」
紙袋を数個づつ持っている二人は一定の距離を保って並んで歩いていた。
「じゃあ私そろそろ帰るね」
「送ろうかー?」
「ううん、タクシーで帰るから大丈夫。じゃあさよなら」
手を振って立ち去ろうとした響の手を恋は乱暴に掴んだ。
あまりに唐突な恋の行動に響は体をびつくかせて驚いた。
顔にも不信感が出ていたに違いなく、睨み顔だった恋はその顔を見て戸惑ったように眉を垂らした。
「ごめんね、イキナリ」
「ううん…大丈夫だけど、何?」
「…」
恋は口を開いたが声が出るには時間が掛かった。
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CINDERELLA STORY