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灰宮家を出る時の雰囲気からして恋は女タラシで、話し方も馬鹿みたいに語尾を伸ばすので、響は無意識に恋を破滅的にノリが軽い男という位置付けで見ていた。

どうやらそういう訳でもないとわかった。

「あのさあ、聞きたいんだけどヤスと結婚してもいーの?
だってまだ17歳でしょ、結婚はまだ先だとしても婚約しちゃったら自由に恋愛出来ないじゃん。いーの?」

「今までだって自由じゃなかったから、それに私には男よりも夢が大事なの」
「夢ってなーに?」

「私のブランドを立ち上げる事!
スタイリストも勉強したいけど最終的にはBELTAから離れて自分のブランドを作りたくて。

高校までは父の言いなりになって来たけど家を出たら自由になれるわ、私被服系のデザイン学校に進みたいの。

だから結婚は嫌と言うより夢に近付ける事なの…父には内緒にしてるけど」

父親どころか、誰にも言った事のない話だった。

望めば有名なブランドにストレート入社して大きな役職に就く事も可能なのに、無い物ねだりなお嬢様のわがままに見られる事が怖かった。

恋はそんな体裁を気にするタイプには見えなかったので、初めて素直に話してしまった。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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