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痣を見ていた舞良はふと自分の胸に目が行った。
肋が浮き出ているのは今に始まった事では無いが、今の浮き出方は気持ちが悪いくらいだった。
舞良は狭いバスタブで寝ていたのに身長だけはにょきにょきと伸びて、細い体と合わせて考えると本当にモヤシ体型だった。
さらに色は白いし湿気の多い部屋で成長して性格もヘタレで、ここまでモヤシを貫いているのは自分くらいだとのんきな事を考えた。
暖房器具が置いていない部屋で半裸でいるには寒い季節になってきた。
脂肪が薄い事はたった今よくわかった事だし、舞良はシャツを着て、更にニットのセーターを着こんだ。
狭いバスタブから布団と毛布を取り出して、冷たいタイル貼りの床に広げ、舞良は足を伸ばしてそこに横になった。
いくら大きめの猫足バスタブと言えど中は体が痛くなるので、体力温存の為に横たわるのには床を使う事にした。
目を瞑っても、二度寝までした舞良が眠りに落ちる事は無かった。
舞良は出来る限り考えるまいとしていたが、うっかり計算して最後の食事から丸2日の48時間経っている事に気が付いてしまい、不安が募った。
最後の食事、響に散々馬鹿と罵られながらの昼御飯だった。
響…。
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CINDERELLA STORY