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「本当に馬鹿じゃない?マイロ」
「それ、そろそろ10回目くらいになるから…もう言うのやめてくれると嬉しい」
次の日、舞良は朝の内にメールの不安要素を響に相談した。
愛に携帯を見られそうになって、今までの響と朱里とのメールは全て消す事にしたので、メールの内容を覚えてる範囲で伝える事になった。
話を進めるのと比例して響の顔が険しくなるので舞良は自分のミスに嫌でも気付いた。
響は昼食に舞良が作って来た幕の内弁当を食べつつ、その合間に舞良への叱咤を口にした。
「馬鹿ね、アカリからからその話題を出すっていう事は"誘って"って言われてるような物でしょう!もう」
「それはあんまりいい解釈をし過ぎだと…だってお互い早く決まるといいねって言われたんだよ?」
「少なくとも私は女でマイロは男で、男のマイロが女の私に相談しているのだから、私の言う女心を鵜呑みにするのが最善だと思うわよ、馬鹿」
「うん、わかった、俺が馬鹿なのは、本当に。傷付くからそれ以上は…本当に、うん」
「わざわざ自分から話題に出したのに誘ってもらえ無かったらそう言うしかないでしょう、自分は論外なのかなって思ったのはアカリの方よ。もう、ばかー!」
自分が馬鹿なのは、もうわかった。
それにしても響の言う事が本当だとしたら、それは…。
「嬉しすぎるよ…」
嬉しさを隠せず、赤くなって微笑む舞良に、響はつられて微笑んだ。
「じゃあ、直ぐにでも誘う事ね」
「うん…その誘い文句、一緒に考えてくれる?」
「採点なら、してあげるわ」
弁当をそそくさと食べ、舞良は早速メールを作り始めたが、合格点を得るには時間がかかった。
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CINDERELLA STORY