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イタリアンレストランからの帰りがけに携帯が鳴り、響は笑顔で朱里からのメールではないかと言ったが、その予測は外れていた。
「レン兄さんだ…」
引きこもってからずっと来る事の無かった夕飯のオーダーメールだった。
どうしてもカルボナーラが食べたかったのか、それともいつも通りに戻ったのか。
「レンくん…何だって?」
「カルボナーラにしろって…あ、晩御飯の話だよ」
響はそう、と言いながら視線を宙にむけて黙り込んだ。
未だに恋とは連絡していないのか、舞良は聞けなかった。
おそらくしていないだろうし、響が愛と結婚する事はもう決まっているのだ。
自分の事を応援してくれる響を応援する事が出来ず、舞良は沈む気持ちから視線を落とした。
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CINDERELLA STORY