14. 自分で言うのもという感じだが、私はどちらかというと単純な人間である。ウタウダと悩むのは苦手で、大抵の物事はとりあえず動いとけばなんとかなると思っている。 心の中がモヤモヤしてるのなんて気持ち悪いし、解決できるかもしれない方法があるなら試してさっさと払拭してしまいたいのだ。うじうじ考えているぐらいなら行動してしまえ! というのが私だったはずなんだけど。 何故こんな気持ちになっているのか明確だからどうしようもなくて、感情のやり場がなくて、そして勝負なんかしていないのに負けたような気持ちになっている。 先日の練習を覗きに行って、会社に戻ってその時のメモ書きを見返した時に背筋が凍った。間違いなく私の文字で書かれたその内容のほとんどが、彰くんのことだったからだ。 私は彼の練習を覗きに行ったミーハーなファンではなく、れっきとした記者でライターなのである。仕事なのに、私だって一応はプロなのに。ちゃんとわかっているのに、いつの間にかすっかり心が支配されていた。それもまったく無意識のうちに。 「名前さん、このあとオレのことばっかり意識しちゃう?」 練習を行なっている体育館の外、アリーナの通用口での彼が発した言葉が蘇る。今ならはっきりとわかる、あんなセリフを聞かされなくても、それこそ不意打ちのキスなんかなくたって、きっと私はこの状態に陥っていたに違いない。 はあ、と勝手に漏れ出るため息を堪えないまま、デスクのモニター画面に映るリーグ戦のスケジュールにぼんやりと視線を向ける。 彼のチームは今週いっぱい地方での試合のために遠征に出ている。今だけは、こうして距離を置けることで気持ちの整理が出来ていいかも、なんて思ってしまう。だって、彼のことを考えたり、一緒にいるだけで私の心の中には波が立って、そしてその波に飲み込まれるみたいに意識をいっさいがっさい奪われてしまうからだ。 最初はバスケットボールのことなんかなんにもわからなかった。異動を命じられた時も、相田くんに連れられて最初に練習を覗きに行った時も、初めての観戦だって不安で不安で仕方なかったけれど、彼のプレーを観て心が震えた。そのプレーに魅了されて、いつの間にかバスケットボール自体が好きになった。与えられたこの仕事を楽しいと思えるようになった。 だから、こんなのはやっばりダメだ。だって私、思いっきり公私混同しちゃってるんだもん。 頭を抱えながらひたすら考えこんでみても、たどり着く答えは「私がちゃんと切り替えられるようになること」それのみなのである。今はなんとか押し込めないと。 リーグ戦は大体同じカードを二日間、二戦連続で開催されている。今日もこのあと昼過ぎから行われる試合の取材に行くスケジュールである。 彰くんがいるチームじゃなきゃ、中立に平等にただただ純粋に試合を楽しみながらお仕事に臨めるのに。自分がこんなに気持ちの切り替えが下手くそで、なおかつ不器用だなんて知らなかった。彼と出会ってから、知らなかった自分の情けないところに気づかされてばかりだ。 ちらりと左腕に嵌めた腕時計に目をやる。そろそろ行かなきゃ。 デスク周りを適当に片付けて、必要なものを乱雑に鞄の中へと突っ込む。私だってちゃんとプロなんだから、気持ちの切り替えが出来ない自分のダメさに凹んでいる場合じゃない。 頬を軽く叩いて「取材出てきます」と人もまばらなフロアに声をかけながら立ち上がった。 *** 会場である体育館に着くと、そこは既に観客の熱気で溢れていた。試合前のこのわくわく感、何度体験してもいいものだなって思っちゃう。 プレスの腕章を取り出して、アップの前に行われているホームチームのチアリーディングダンスを眺めながら記者席へと降りる。 記者席に座る顔ぶれはほとんど変わらない。顔見知りの記者に軽く挨拶をしてから適当な席に座る。まだこの仕事に関わって半年も経ってないけど、試合とかインタビューの度にいちいち緊張しなくなってきたし、こうして他社の記者とも知り合えたし、成長していると信じたい。 チアリーディングチームのパフォーマンスが終わると、すぐにアップが始まる。今のうちに色々出しとかなきゃ。そう考えながらカバンをゴソゴソやり始めたら、突然頭の上から「お隣、いい?」と声を掛けられ顔を上げた。 「あ、はい! もちろんどうぞ!」 声を掛けてきたのは、黒髪でショートカットの女性だった。ありがとう、とにっこり笑んだその人の耳に付けられている大ぶりなピアスがゆらゆらと揺れて光っている。腕に腕章をつけているところを見ると、どうやら同業者らしい。 初めて見る人だ、どこの会社の人だろう。それにしても、なんだかどこかで会ったことがあるような気がしてくる。むしろ、誰かに似ているというかなんというか。 「ああ! ごめんなさいね。挨拶が遅れちゃったけど私、ニューヨーク支部の相田といいます。相田弥生」 差し出された彼女の名刺を受け取って「ありがとうございます」と小さく頭を下げ、急いで自分の名刺を取り出す。週バスの苗字です、と名乗りながら自分の名刺を手渡す。よろしくね、と言いながら、彼女は笑顔のまま私の隣に腰を下ろす。渡された名刺へと視線を移して、それをまじまじと眺めたところでやっと気が付いた。相田って、もしかして。 「相田さんって、もしかして……」 「そ! いつも弟がお世話になってます」 相田さんは赤いルージュの塗られた唇の口角を上げながらにっこり笑った。あ、目の感じと輪郭とか、たしかに似てるかも。だからなんとなく会ったことのあるような気がして、誰かに似ているって思ったんだ。 「たまたまこっちに戻ってくる用事があったから、あなたに挨拶したくて。まあ、またすーぐ戻っちゃう予定なんだけどね」 うちの弟賑やかっていうかやかましいっていうか、迷惑かけてるでしょう、と苦笑いを浮かべながら言う相田さん。いやいやいや、と私は手を横に振りながら必死に否定した。 確かに彼、相田彦一くんは賑やかでちょっと声のボリュームが大きかったりするけれど、私にとっては見習うべき同僚であり、そしてこの部署においては頼りになる先輩である。 決してそんな事はないです、彼の明るさとアクティブさが羨ましいぐらいです、と返事をする。相田さんは「何かあったらすぐ言ってね、私が叱るから」と楽しそうに笑った。彼女は三年前にニューヨーク支部へ異動になったらしい。 「それにしても大変だったでしょ? いきなり週バス編集部なんて」 そう言われて、思わず苦笑いしてしまった。異動してすぐの頃は、必死に雑誌の既刊を読み漁ったりVTRを観たり、実際に試合を観てプロリーグの雰囲気に触れて、選手の方々からお話を聞くようになって、目を離せない程素晴らしいプレーに魅了されて。あと、頑張らなきゃって根詰めすぎてぶっ倒れたこともあったなあ。 ここまで考えて頭の中にぽん、と彰くんの顔が浮かんだ。お見舞いに来てくれた彰くんに担がれて、子どもみたいに寝かしつけられて、看病までさせてしまって。 そうだった、彼のことを考えすぎて私は今こんな状態になってしまっているのだ。名前さん、と私の名前を呼ぶ優しい声なんかまで頭の中で再生されて、思わずぎゅっと目を瞑りながら首を振った。 どうしたの? と不思議な表情をする相田さんに「すみません、大丈夫です」と小さく謝ってから視線を下に向ける。 そこで、ふと思った。知り合ったばかりだけど、相田さんなら話を聞いてくれるかもしれない。今の私の状況を把握していて、同じ場所にいた女性。もういっその事「頭の中切り替えられないなんてダメよ、プロなんだからちゃんとその意識持たなきゃ」ってバッサリ切り捨ててもらえるぐらいがちょうどいい。 「あの……突然なんですが、ちょっとお話聞いてもらえたりします?」 意を決して言ってから「ほんとうにしょうもないことだから、呆れられちゃうかもしれないんですけど」と小さい声で付け足す。 ただ吐き出したいだけで、自分の中でどうしなきゃいけないのかなんて答えはとっくに出ていた。それでも人にハッキリキッパリ言ってもらいたいなんて、なんて甘いことを考えているんだろう。 「勿論! これでも一応先輩だからね、私なんかで良ければ」 相田さんは「うちの部署男だらけだし、相談相手に困るよね」と、どこか楽しそうに言いながら、私の突然のお願いを悩むことなく快諾をしてくれた。この人なら歯に衣を着せない率直で忌憚の無い意見をくれるに違いない。 「……私、ファン寄りの目線になっちゃってる時があって、いつの間にかとある選手のプレーばっかり目で追っちゃうんです。仕事だって自覚はちゃんとあるのに、どうしても」 うまく言葉が見つからなかった。そして声に出してみて思う、やっぱり自覚が足りない。仕事とプライベートを分けるべく、彼の呼び方を分けてみたりしたけれど、それだってただ呼び分けているだけだ。 意を決して言ったはずなのに、相田さんの顔を見られなくて私は自分の膝に視線を落とした。くす、と笑うような声が聞こえて「え?」と私が思わず声を漏らしたのと同じぐらいに、肩にぽん、と手が置かれていた。 「話には聞いてたけど苗字さん、あなたすごい真面目なのね」 やっぱりどこか楽しそうな様子の相田さんの表情を、文字通りきょとんと凝視していた私の顔はすこぶる間抜けだったに違いない。 「それ、仕方ないことなのよ。人間だもん、完全に感情引っこ抜くなんて無理だし」 その人のバスケットに惚れて贔屓しちゃうなんて普通よ、と相田さんは続けた。感情と贔屓。それこそ、私が一記者として個人に抱いてはいけないと思っていたものだった。だから、例えお付き合いをしていても仕事となったら切り離すつもりだったし、それが出来ると思っていた。 そもそもあの時、仙道さんの問いに首を振っていたらよかったんじゃないかとか、そんな事ばかり考えてしまっていた。断れるはずも、拒む理由も無かったのに。 「でもあなたには仕事なのに、って意識がちゃんとあるじゃない。それなら大丈夫」 頭の先から、椅子にくっつけているお尻までの力がガクッと抜けたような気がした。 「好きって気持ちは止められないのよね。私たち記者もそう、選手も、スタッフも、もちろんファンも、バスケットボールが好きだからここにいる」 そう言うと、相田さんは一呼吸置いてから続けた。 「あえて聞くけど、苗字さんはバスケ好き?」 その問いに、私は間髪入れず弾かれたように「勿論です!」と返事をしていた。 「最初は何が何やらだったし、いまだって知識は他の皆さんに及びませんけど大好きです!」 迷うはずがない、頭で考えたりする必要もない。はっきりと、胸を張ってそう言い切れる。 そう言ってくれると思ってたわ、と相田さんはもう一度私の肩をぽんと軽く叩いた。 「私がこっちに居た頃ね、高校バスケの担当してたんだけど、そりゃあもう入れ込んじゃった選手がいてね。もう当時の編集長と毎日ケンカよ。他にも追うことあるだろ! って言われちゃって」 彼、そのあと大学リーグで大活躍して、少し海外出てから今じゃプロの選手。あなたもよく知ってる人よ。そう言われて、浮かんだのは勿論彼のことだった。高校バスケで活躍して、大学リーグから海外留学となると、私が思い浮かぶのはその人しかいない。 「仙道さん……?」 「大正解! いまの彼の姿も一目拝みたかったけど、今回はタイミング悪かったみたい」 相田さんはそう言うと、心底残念そうに深いため息を吐いた。なるほど、相田姉弟はふたり揃って彰くんのファンだったのか。 「私たちの仕事って、すごいことを凄いって伝えることなの。だからあなたが選手のプレーに魅了されることは問題なんかじゃない、ちゃんと見えてる証拠」 まあ編集長とぶつからない程度に追っかけたらいいのよ、と相田さんは笑った。 鼻の奥がツーンとして、目の奥がじんわり熱くなってくる。あ、これやばいやつだ、と即座に気付いて私は小さくゴクリと息を飲み込んだ。こんな話を聞いて下さってありがとうございます、と頭を下げたら、相田さんはいいえと首を振った。 「寧ろ私も初心に還る気持ちになれたわ! がんばってね、応援してるから!」 さてじゃあ試合始まりそうだし、という相田さんの言葉を聞きながら、私のここ数日の重苦しいモヤモヤした感情は流されて、ほとんど消えてしまっていることに気づく。バッサリ斬ってもらうつもりだったのに、肯定してもらえるなんて思わなかった。 スッキリした頭は、すぐに試合観戦仕事モードに切り替えることが出来ている。よーし気分一新、リスタートだ。心の中で自分の頬をピシャリと叩いて、もうすぐに試合が始まりそうなコートへと視線を向けた。 *** 「こんばんは、来ちゃいました」 そう言いながら小さく片手を挙げている彰くんのいつもと変わらない様子を眺めながら、私は玄関先で数秒間固まってしまっていた。 時刻は夜の二十一時過ぎ。今日は試合観戦後、会社へ戻らずに直帰していた。 彼の姿は遠征先から帰ってきてそのまま、という感じだ。ボストンバッグを肩から下げているところを見ると、どうやら自分の部屋にも寄らずに会いにきてくれたらしい。190センチを超える大男のことを、こんなにかわいらしいと思ってしまうなんて。 隠しきれないうれしさで勝手に己の口角が上がりかけている事を即座に察知して、私は口元を抑えながら「お帰りなさい、お疲れさまです」と返事をした。 「……? どしたの、どっか具合悪い?」 「ううん違うの、気にしないで」 私、やっぱりこの人のことすごい好きなんだ。吹っ切れたら改めて気付かされる。たった一週間会っていないだけなのに、こうして真っ先に顔を見せてくれたことが嬉しくてたまらない。 上がってもいい? と控えめに首を傾げる彰くんを「もちろんどうぞ」と招き入れると、彼は「名前さんち入んの、名前さんが熱出したときぶりだなぁ」と言った。 彼の着ていたダウンジャケットをハンガーに掛けて、ソファーに座り改めてパソコンと向き合う。気分一新したら、なんだか文字まで走り始めた気がする。相田さんと話が出来て本当によかった。 「あ、仕事してたんだ、もしかして邪魔しちゃいました?」 「ううん、いまやる気に満ち満ちててちょっと頑張るか! ってなってただけだから」 洗面所で手を洗ってきた様子の彰くんは「そんなら良かった」と言いながら、私の座るソファーではなく、その横のラグの上に座った。 隣に座ったらいいのに、と思いながら彼のことを見つめていたら、彰くんは破顔して噴き出す様に笑った。 「ここに座った方が、目の高さ同じになるから名前さんの顔よく見えるなーって思ってさ」 「私がなんで隣に座らないのかなって思ったのわかったんですか!? 彰くんエスパーなの!?」 この人はコートを見渡す視野の広さだけでなく、心眼まで備えているパーフェクト超人なのだろうかと本気で思った。やっぱり楽しそうな彰くんは、くっくっと笑いを堪えながら「だって顔にそう書いてあるし」と言った。 私ってそんなにわかりやすいんだ。そう思ったら、一気に力が抜けてしまった。 ここでわかった、私はきっとこれからもこの人に一生敵わないし、このままどんどん好きになっていくばかりなのだろう。それが容易に想像できる。負けず嫌いの私が、もう敵わないやって早々に投げてしまうレベルである。 「……私ね、練習とか試合の時、どうしても彰くんのことばっかり目で追っちゃうんです。頭では仕事しに来てるってちゃんと分かってるのに」 「いや、それはこないだオレが名前さんの意識がこっち向くようにしたからで」 「ちがうの、その、あんなこと……されなくても彰くんばっかり見ちゃってたと思う」 彰くんはちょっぴり驚いた様な表情を見せたあと、その整った眉尻をふにゃりと下げて、ひとりごとみたいに「そういう事言うの、ズルいよ」と言った。 「名前さん、風呂入った? いいにおいする」 そう言うと、立ち上がって身を乗り出した彰くんは覆いかぶさるように私の首筋に顔を埋めた。いつの間にか脇腹から背中へと回されていた彼の腕に触れながら「ええと、さっき入りました」と返事をする。 彼の髪の毛が私の頬や耳にあたってくすぐったい。その上、そんな風に遠慮なくにおいを嗅がれると、お風呂に入った後だといえど恥ずかしい。耐えきれず、身をよじって抵抗してみるけれど、もちろん私なんかが彼に敵うわけもなく。 「ちょ、彰くん、くすぐっ……、んぅ……!?」 ぱちくりと瞬きをしながら、やっと状況を把握した。押し付けられた彼の唇。ぱく、と下唇を食まれると、一瞬だけ体が強張った。ガッチリと腰をホールドされたまま好き勝手にされてしまうと、私の体はもうすっかり力が抜けて彼にされるがままになってしまう。こうしてキスをされるたび、触れられるたび、まるで麻薬に犯されるみたいに虜になってしまっているのが自分でもわかる。 彰くんの動きはいつだって優しくて穏やかだ。こちらの様子を観察しながら楽しんでいるみたいで、きっと私は彼の意図するままの反応をしてしまっているんだろうな、と思ったら何とも言えない気持ちになった。そして、年下の彼にされるがままになってしまっていることがやっぱり恥ずかしくて、ほんのちょっぴり悔しい。私はこの人に降参してばっかりである。 これ以上彰くんのことを好きになってしまったら、私は一体どうなってしまうのだろう。今だって、ドキドキするたびに頭の中が彼のことでいっぱいになって、溢れて止まらなくなっているというのに。 「……あれ、困ったカオしてる。イヤだった?」 「いやとかはもちろんないんですけど、なんか、試合とか練習とか雑誌とかでめちゃくちゃかっこいい仙道彰選手が、本物が目の前にいるんだって思ったら」 その人が私の彼氏で、キスなんてしてくれてることに現実味がなさすぎて、と続ける。 唇に残るキスの感触、鼻が触れそうなほど近い距離、目の前できょとんとした表情を見せる彼の整った顔。コートの上では別世界の人間のように思えるその人が、こうして目の前にいる。 彼は困ったように眉尻を下げると、その指を動かして私の髪を梳いた。 「ね、つづきしてーんだけど……いい?」 私がそんな風にまっすぐ見つめられたら断れないって事、この人にはもうバレちゃってるのかもしれない。 私は羞恥でわなわな震える唇をギュッと結んだまま、小さくこくんと頷いてみせる。嬉しそうに「やった、言ってみるもんだ」と目を細めて屈託なく笑ってみせる彼の表情に、図らずも喉の奥からきゅう、と変な声が漏れそうになった。 「あ! 待ってください、これだけ保存しなきゃ! 消えたらこの二時間が水の泡に……!」 ノートパソコンに向き直り、慌てて編集中だった文章を保存する。背後で「名前さんらしい」と彰くんが笑った。 [*前] | [次#] |