1万打記念企画・さきいかさんへ捧ぐ

※何故か遊馬と同じ町に遊星が住んでます。
 遊星18遊馬13歳です。
 細かい設定は気にしたら負けです。


流星群の夜に 1


「流星群?」
「流れ星がいーっぱい流れる日よ!」
 なにそれと聞き返す遊馬に、小鳥は頬を膨らませて答えた。
 ロマンチックだとそわそわする様子に、遊馬はそんなものなのかなと思う。
 流れ星なんて、じっくり眺めるものだろうか?
「それっていつ?」
「一番たくさん流れる日を『極大』になる日って言うんだけど、それって今週土曜日なのよ!」
 ふうんとだけ返す遊馬に、更に頬を膨らませてから、小鳥は大きなため息をついた。
 せっかく週末に重なるのだから、一緒に星を見たいと思ったのに、この分ではまったく興味がないようだ。それ以上に、本当に恋愛ごとでの遊馬の鈍さは思い知っていた。
 けれど、遊馬の考えていたことは小鳥の予想とはまったく違っていた。
 これはチャンスだ。
 そう思ったのだ。
 遊馬にはこっそり付き合っている恋人がいる。
 かっこよくて、大人で、男らしくて。とてもデュエルが強い。
 そう、同性の恋人。
 だからヒミツ。
 小鳥の意識が遊馬から離れたのを確認すると、遊馬はPCパネルをタッチしてメールを開いた。
 昼休みはもうすぐ終わってしまうから、急いで書かなければいけない。
 流星群の事、極大の事、家の周囲は明るすぎて星が見えにくいこと、最後に少し悩んでから、『泊まっていい?』と書いた。
 送信ボタンを押してから、完了するまでの間、キャンセルしてしまおうかという衝動が起きるくらいに、恥ずかしい。
「遊馬?どうしたの?」
 顔赤いよと小鳥に言われて、慌ててなんでもないとごまかした。
 午後の授業が終わる頃には返信が来ていた。


 用事があるのは夜なのだけど朝からそわそわしてしまって、たまらず昼すぎには家を出た。
 彼の家まではモノレールで行く。ビルの間を縫うように走るモノレールは市民の足だ、乗り継げば町のどこへだって行ける。遊馬は郊外に向かうルートに乗って窓の外を眺めた。町の中心地から離れるほどに大きなビルは減り、ひときわ大きな木々の塊が近づく。緑地整備が進んでいるため、こういった森林公園のような場所は郊外のあちこちにあった。
 駅に降りて早足になりそうになるのを、意識してゆっくりと歩いた。
 駅からそう遠くない場所にその家はある。
 特別でかいわけでも小さいわけでもないけれど、人一人が住むにはでかすぎる家かもしれない。
 玄関手前で立ち止まって、遊馬は斜め後ろを見上げた。
「いいか、明日までぜっっったい!出てくんなよ!」
「遊馬、デュエルはするのか?」
「今日は、しない。」
「ならばいい。」
 遊馬にとり憑いている幽霊(じゃないと本人は言っている)、アストラルはそういうと興味を失ったように姿を消した。
 ナンバーズのかかわらないデュエルには興味がないというアストラルだったが、彼に対しては別だった。
 強くて強くて、なんだかどれくらい強いのか遊馬にはわからないくらい強い人だから、アストラルの気持ちもわかる。
 本当に強い相手を前にしてワクワクしないなんてデュエリストじゃない。
 でも今日はアストラルに邪魔されたくないから、デュエルはしないと決めていた。
 よし、と気合を入れてから遊馬はインターホンを押した。
「遊馬です。」
『上がって来いよ。』
 電気信号に変わった声ですら、ドキリとする。
 同時にロック解除のランプが点灯して遊馬は扉に手をかけた。

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なんか前フリが必要な分長くなっています。
何話かに分割してUPします。

さきいかさんに捧ぐ遊星×遊馬ですwwww
体格差年齢差に萌えさせていただいています!

(110616)


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