私はキャプテンの事が大好きだった。戦えなくて、いつも足手まといで、そんな私を守ってくれていたキャプテン。時折見せる不器用な優しさに、私はずっと惹かれていた。大好きだった。


だから、今日だってキャプテンに抱きついてただいまと言ってあげる予定だった。怒られてあげる、予定だった。



私は一人の男に、暗い倉庫内に連れて行かれた。暗い中で見た男は、あたしが恐怖にわななく姿に満足そうだった。キャプテン、とわめいたら思い切り顔面を殴られた。うるさい、と男は言い、口をガムテープでふさがれた。今度はきっと睨みつけたが、見るんじゃねえ、と目にもガムテープをはられた。男の手が私の体をまさぐった。くぐもった声が私の口から漏れる。けれど男はそんな私にお構いなしに、下着ごと服を破り去る。私は暴れたけれど、再び男に殴られむき出しになった乳首を噛まれた。痛いと言葉にすることのできなかった私の目から涙を流すこともできないのは、隙間なく貼られたガムテープのせいなのだろう。

男の手があたしのスカートの中に入ってきた。ああ、なんで今日に限ってスカートなんてはいてきてしまったの。濡らしやがって淫乱が、と男が厭らしい声色で耳元で囁いた。男の手は私のふっくらした恥丘を下着の上からなぞっている。じれったい快感に負けそうになる。ああお願い触ってちゃんと触って。腰がもぞもぞと自然に動く。男は下着をずらして太い指を突き刺してきた。ぐちゅぐちゅという水音が耳に響く。気持ちいいわ、気持ちいいわ!私の頭にはもう快楽しか見えていない。かちゃかちゃと何かをはずす音が聞こえた次の瞬間、固くて太い何かが私の穴に入ってきた。なんて気持ちいいのかしら、もっと、もっと突いてお願い!すると急にすべての音が遮断された。それと同時にものすごい痛み。男は私の耳を削いだのだ。それでもなんだか下から感じる快楽とあいまじり、痛みさえも快楽になってゆく。そうしているうちに、男の肉棒から熱いものが中に注がれたのがわかり、私の頭がはっきりしてきた。なんてことをと私はまた暴れ出す。すると今度は腕に強烈な痛みを感じた。なにが起きたのかはわからない。だって音も聞こえなければ視界もないのだから!だけど違和感は腕を動かせないということだ。ねえ、私の腕はどうなったのかしら?私はこのとき、キャプテンが言っていたことを思い出した。―カニバリズムってなんですか?人の肉を食らう奴をそう呼んでいる。奴らは人の肉の味を占めた精神異常者だ―そういうことならもう私の腕はないだろう。ああ、今度は右足が痛いわ。音も聞こえないのに、頭の中にびちゃびちゃと、生々しい、何かを食す音が響いてくる。これもキャプテンの言うことを聞かずに勝手に街に出た罰かしら。キャプテン、あなたはどんな顔をするのでしょうか。知りたくても知る術はもうありません。なぜなら私はこのとき既に、男に体を食べられていたのだから。そう、私は既に死んでいたのだ!


カニバリズム

(リディア、この街は絶対に一人で歩くなよ。)
(なんでですか?)
(カニバリズムが指名手配にあがっていて、まだ捕まっていないらしい。)




カニバリズム


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