アザレアの花言葉は


アザレアの花言葉は、

色々あるらしい。色によっても異なって、国によっても違うのかもしれない。込められた言葉の数だけ人々の思いがある。

今日のアザレアは白。

純白のドレスにあしらわれた立体的な花飾りは感嘆の声が漏れるほどに美しい。それを身に纏う主役はより一層輝いている。友人の結婚という人生の門出をこうして祝うことが出来るのは、自分のことのように嬉しい。


「ブーケトスするよー!」


ホームパーティの延長のような立食形式の今日の式では、主役直々に声がかかる。彼女はドレスと揃いの純白のアザレアを使ったブーケを掲げ、大きく左右に振っていた。


「行ってこい」


共に参加してくれたセブルスが、私の背中を押した。


「取れたらどうする?」

「生ける」


彼らしいひねくれた返答に笑いが込み上げて、クスクスと笑った。「何か問題でも?」と言いたげに片眉を上げる彼の手を取って、緩く引く。


「ほら、誰でも参加して良いみたい。『幸せのお裾分け』らしいから」

「私には必要ない」


繋いだ手を強く握り返されて、引き戻される。そして彼は耳元で、私だけに囁いた。


「私のブーケはここにいる」

「そ、それなら、私だって!」


一気に火照った身体を冷まそうと水を飲めば、隣の彼は忍び笑い。


「行ってこい、リリー」


そう言って目を細める彼はいつにも増して優しい表情をしていた。私は頷いて、花嫁の元へと歩き出す。振り返ると彼はシッシッと手首を振って追い払う仕草をした。

いつもの彼。そんな、

あなたに愛されて幸せ。

Special Thanks
you
(2019.2.27)


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