人は平気で嘘をつく


人は平気で嘘をつく。

優秀な閉心術士の恋人はその嘘も上手いときた。

例えば今日。クリスマスなんて興味ありません、絶対祝いません、みたいな顔で廊下を闊歩していた彼。でも今朝私の元には彼からのプレゼントが届いていた。

けれど時に彼は詰めが甘いのだ。

学校に残った全員で行われるクリスマス・ディナー。そこにはもちろん私やセブルスも出席する。それを早めに抜ける予定だとマクゴナガルに伝えているところを偶然トレローニーが聞いて、彼女は私に理由を聞いてきた。

そしてハグリッドも。彼は隠し事ができないタイプだ。少なくとも隠し事があることを隠せない。そんな彼と何を話したのかまでは分からないが、彼は私に「スネイプ教授が」「夜に」「計画」とヒントを与えてくれた。


そして今。


「リリー、夜に調合の助手を頼めるか?」

「今夜ですか?」

「あぁ、今夜だ。調合を進めるのに適した天気になる。予定があるなら――」

「良いですよ」

「良いのか?」


彼の緊張がふっと和らいだ。


「ずっと大広間に残って酔った教授方の相手をするよりは楽しそう」

「確かにな。早めに抜けておく方がいいだろう」


私にだけ見せてくれるようになった柔らかい笑みを残して、彼は地下への階段を下りていった。

今日の嘘は私のための嘘。とっても素敵な前触れの嘘。いつか、そうじゃない嘘が二人の間に引かれるかもしれない。

それでも、

あなたの嘘なら私は黙って騙される。

Special Thanks
you
(2018.12.24)


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