天弥見聞録 | ナノ


【閃W・ED雑感】これからもずっと。


プレイ前は五分五分かなぁ、と思っていました。閃の物語が大団円を迎える(と信じていた)その時、クロウは生きてリィン達と一緒に居られるのかな、と。
生き残ってもいいし、一度死んでしまっている以上、あるべき場所へ還る為に再度お別れになる、という流れでも納得していたと思います。
どちらも用意されているなんて微塵も思っていませんでしたが。ふぁるこむ……やりやがったな……(貶しているわけではないです)


【ノーマルエンド】
リィンとクロウ、どちらかが消えてしまう展開もあるのかもな……とはVの後に思っていましたが。ミリアムと合わせて、まさか一緒に死んでしまうとは思わなかった。(文字だけで)そうなる事は事前に知ってましたが、いざ自分の目でそのシーンを見ると、言葉を全部持っていかれました。ゲームでここまで泣いたのはエクシリア2のユリウス分史破壊シーン以来かもしれない……。
いつかきっと戻ってくる。リィンくんはなんて残酷な事を言うんだ、と思いましたが、敢えてそう言ったんだろうなと後で感じました。現に新Zはその言葉を受けて、リィン達の帰還を信じていましたし。けど、この後の「ありがとう、楽しかった!」……これを見て、ああ、三人はもう帰って来ないんだろうなあ……と思ってしまいました。すごく矛盾した発言。呪いが与えてくる苦しみの中、これから死ぬという時に、遺してしまうみんなに何か一言でも言い残さないと……と、リィンくんも精一杯だったのかな。煌魔城でクロウはよくあんなに沢山の言葉を遺せたな……ヴィータの治癒があったとはいえ。

ここでずるいなと思ったのがクロウの「悪い、抜け駆けするぜ」。ここでそれを言うのか、反則だろと、目元めっちゃ擦りながら見届けていました。リィンに向いていたたくさんの想いも、願いも、全部クロウ(とミリアム)が持って、一緒に行ってしまった。思えばこの二人、Z組編入組なんですよね。あの時間が、あの日々が確かに本物だった、理由があって潜り込んだとはいえ得たものがあったとUで証明していますが、改めてそう感じました。
最後まで付き合うぜ、とミシュラムで言っていましたし、元々この戦いが終わったら消える身であった以上、ああなったリィンについて行く選択肢を選ぶのに一秒も要らなかったんだろうな、そのつもりだったんだろうなと。予想通り、旅は道連れだとも言ってましたし。こんな時までかっこいいの、何度も言うけど本当にずるい。飾らないかっこいい男。そう在ってくれというのが一番の願いだったので、その点に関しては何も文句ないです。あるはずがない。
推しが死ぬ事は多いので(……)ノーマルエンドは最初は呆然としましたが、これはこれでアリだなと今は素直に思っています。大団円があってこその、カタルシスを含めた感情なのかもしれませんが。

彼らが大気圏外に出た後(?)に、まるでその命が散ったように光がぱっと弾けましたが、その光が羽根となって舞い落ちていたのが切ない演出だなと……翼の一員として駆け抜けたが故に、という事なんでしょうか。(見間違えてたら申し訳ないですが)エリゼ達はよくあれを見ただけでリィン達が散った事が分かったな、と疑問に思わなくもなかったのですが、崩れ落ちたり、空に向かって叫んだり、泣いているみんなを見ていたらそれはどこかへ行ってしまいました。

これで「ノーマルエンド」。個人的にはこれで合ってるなと。リィン達の視点からすれば、ある意味、バッドエンドではないかな。
あの曲と共に、満足そうな表情で、仲間たちを意味するような小さな光を抱いて眠る三人のイラストを見て再度涙腺決壊。もうダメだ。あまりにも理不尽で、悲しすぎる結末ではあるけど、これも「リィン・シュバルツァー」の行き着く先の一つである事には間違いないんだなあ……そう感じずにはいられなかった。先述しましたが、これがあってこその大団円でしょうし。

スタッフロールを見た後、向こうで三人、のんびり旅をしている光景が過ぎりました。何の枷もない世界で星空を見上げて、適当に買ったランチでも広げて他愛もない話をしつつも、時々、少しだけ寂しそうに笑いながら。
リィンくんは、胸でも背中でも貸してやると言ったクロウの胸を借りて泣いてもいいと思います。今まで泣けなかったぶん、全部出し切ってしまうくらいに。それで、そこに居合わせたミリアムまで泣きそうになっているのに気付いて「今ならお兄さんの背中、空いてるぜ?」とか言って、挟まれてしまえばいい。

リィンも、クロウも、ミリアムも、お疲れ様。どうかゆっくり休んで欲しい。



【大団円】
ほろ苦すぎる結末でも、ハッピーエンドでも泣く事になるとは。多分「閃が終わってしまう」という事実が涙腺を壊しにかかっているのだと思いますが、一本のゲームでここまで泣いたのは正直初めてだったので、振り返るととんでもない作品だったな……と。

クロウの髪と肌の色、本当に気付かなかったので「へ?」って感じでした……w Uのグラと比較すると、確かに色が違う……ような? Wのデフォルトの色に見慣れてしまったので、逆に違和感を覚えてしまいましたが。
ここで心臓が動いた描写があるという事は、今まで止まってたって事……なんですよね……。予想の範疇ではありましたが、そういう描写があると不死者だったんだなあ、って実感して頭抱えます。人間として復活した、という事でいいのかな? 普通に年をとって、生きていけるんだよね……? 不死のままずっと生きていく、という結末も覚悟していたので、心底ほっとしました。
オルディーネと別れる時の仕草が好きです。言葉は無用だぜ。リィン&ヴァリマールより長い付き合いだったし、あんな形とはいえ、互いにまた会えて嬉しかったんだろうな。騎神たちとはまたいつか、どこかで少しでも会えるといいのですが。
フランツも最後の最後に元に戻れて良かった。彼が消滅する間際の、愛してるわ父様、というアリサの台詞で、こちらも救われた気がしました。言いたくても言えなかった言葉ですよね。イリーナとも会って欲しかったな……。

オリヴァルト、いや、オリビエとシェラザードの結婚式。閃絵師さん本当にお疲れ様でした、という感想が真っ先に出てきました。Tから合計で一体何枚の立ち絵と集合絵を描かれているのか……線画や着色で何人かに分かれているのかな? とは思いますが、それでもすごい。
本編には出てこなかったキャラ達が居て、彼らも見えない場所で動いてくれていたのだなと、軌跡シリーズが積み上げてきたものの厚さと重さを再認識しました。閃以前の作品に関してはまだ空SCが途中の身ですが、次の軌跡が出るまでには、碧まで終えたいなと思っています。
みんなが楽しそう、幸せそうで、その中に居るリィンも心から笑っているように見えて、見たかった光景はこれだ……これなんだよ……と、心が(クリアしてしまったという空虚感もありましたが)満たされました。ハッピーエンドはいいものだな。リィンが教官を続けている事にも安堵しました。天職だと思っていたので、続けて欲しかった。ほんとに良かったです。

それにしても、ファル通の特典の栞のクロトワがEDスチルの抜粋だったとは……w 思い切った事をしますね。そういうところも好きですが。クロウの上着を届けてあげている様子にほっこりとしました。かわいい。
最後の集合写真、後ろの方でワイングラスを持ってちゃっかり写り込んでるオーレリアには思わず笑ってしまいました。こういったイラストに入れてもらえるとは思っていなかったので、ものすごく嬉しかったですが。彼女はなんだかんだ、ED後分校長に戻った気がします。あの服を着ているのはそういう事なのかなと……というより、そうあって欲しいという願望なのですが。



近藤社長が「楔を打ち込めれば幸い」というような事をインタビューで仰っていましたが、私にとって閃はまさにその通りでした。
描写不足かなとつい感じてしまったり、台詞回しが気になった箇所も少なくはないですが、それでも。大袈裟かもしれませんが、閃に触れた事で、自分の人生に良い意味で影響が出たのは確かです。
登場するキャラの数が多くて、個々の描写が減ってしまいがちになるのは惜しいなとも思いましたが、閃の根底にあると捉えている「人と人が支え合う」「縁」「色即是空/空即是色」というところと連動しているのだとも感じているので、後は脳内で補完します。これらは八葉の真髄にも直結している部分だと思うので。

長々と書いてしまいましたが。

閃の軌跡という作品に出会う事が出来て良かった。一年遅れでプレイを始めてから約四年、すごく楽しかった。
ありがとう。この先も、ずっと大好きです。




2018/10/20 14:26

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