あとがき

おかげさまで『アザレアをあなたに』最後まで楽しく書ききることができました。
最後まで読んでくださった方々には感謝しかありません。本当にありがとうございました。

ここから先は、自分がこのときどういうことを思いながら書いてたっけ?と見返せるようのものです。
設定や話の流れや没にした話、イメージしてた曲などなど。
本当に個人的なものなので興味のない方は見なくても何も問題ありません。




◇ 連載タイトル
『アザレアをあなたに』というタイトルは最初から圭目線のつもりでつけました。
ですが書いてるうちに「このメッセージは楓さんから牧さんにも言えることだよな」と思って最後はあのような形に。
”花を贈る”という行為がもう最大級の愛情表現なので敢えて書きはしませんでしたが、白のアザレアの花言葉は圭→楓→牧に結構当てはまるなと構想を練ってるときに気づいたのでこの花を採用。個人的にお花好きなので使いがちです。


◇ 牧紳一
2020年夏、もともと大好きだったSDにものすごい勢いで再熱。
当時から海南の箱推しで中でも牧さんとノブが大好きだったのですが、今見返してみると牧さんがドンピシャ。もう彼しか見えない……。
そんな彼の話をとにかく書きたかったのがこのお話を書き始めたきっかけでしたし、何なら前からあったこのサイトを再始動させた理由。勢いって大事ですね。
原作では当然帝王の面がメインで描かれていますが、彼もやはり高校生。
精神的に達観した部分と、十代の男の子っぽさを同時に書けたらなと思ってこの設定に。
年上のお姉さんに心惹かれていったらどうなるのかなとうずうずしたのも理由の一つです。
楓さん視点が多かったので”大人だけどやっぱちょっと可愛いな”という牧紳一が書けてたら嬉しいです。


◇ 夢主 横山楓
短編ではあまり強い個性を夢主につけないよう心がけてますが、”このキャラがこんな子を好きになったら”という発想が主な着火剤なので、やはり楓さんもこのような形になりました。
持ち前の明るさでいろいろやっていけちゃうけど実はそんな器用じゃないし、本心を見せるのが下手くそで臆病な女の子。
そういう年上のお姉さんと牧さんは結構相性がいいんじゃないかなと思いました。
そんな二人が出会って惹かれあって将来への一歩を踏み出すというのが大きなテーマの一つ。
ケチではないけど節約家という設定もどこかに盛り込みたかったけど特に出番がなかったのでここに書いときます。
個性だなんだ言いつつ読んで下さった方々の受け取り方に委ねてます。
キャラクター像はあるけど感情移入できる夢主になっていたらとても嬉しいのですが、なかなか難しいなと感じました。でも書きたいことは書けて満足です。


◇ 弟 横山圭
このお話を書く上で、牧さんと夢主の次に一番大事にしていたオリキャラです。
いや、下手したら牧さんより慎重に書いてたかもしれない。
ぶれちゃうとよく分からない存在になるので貫通行動はしっかりしておこうと思い丁寧に書いた結果、すごく愛着が湧きました。
エピローグまで読んでくださった方ならお察しかもしれませんが、そもそも圭目線のお話を最後に持ってきたくてこのような話の流れにしました。
最初はちょっとサポートしてくれるような位置づけにしてたはずが気づけば重要なポジションに。
もう少し藤真も絡むはずでしたが、圭が万能すぎたので出番が減りました。
愛されるキャラクターになってれば嬉しいです。
彼個人のイメージソングは『愛を込めて花束を』
曲の雰囲気メインですけど、そんな感じかなと。


◇ 立花ハナコ
終盤にかけて一気に本筋に絡んできたので書いてて吃驚しました。でも正直動かしやすい、というか勝手に動いてくれた。
しれっと人の本質を見抜くタイプの女の子が個人的に好きなので、私の書く長編にはこういった子登場しがちです。
少しお節介だけど、基本人からは好かれる。
器用にいろいろできて、適度な息抜きも上手。
つい仮面を被ってしまうせいか、ふとしたとき虚無感がある。
そういう部分が少し圭と似てるという描写も加えたかったのですが、上手く入れられなかったので省きました。
多分学校でモテてるという圭の顔は上記のような感じ。
合コンで二人が初めて会って今の関係性に至るまでの話も少し考えましたが、オリキャラ同士だしなぁと悩んでます。
貴重な理解者だから終わりのある関係にはなりたくないって思ってそう。互いに。
多分ハナちゃんも圭と同じく、牧さんと楓さんの関係性に憧れてるから最後まで世話やきしたって感じで書きました。
気が向いたら圭とハナちゃんの話も書きたいです。


◇ シズちゃん
個人的に理想のお婆ちゃんを詰め込みました。
新しいものにいつも興味津々なお婆ちゃんは頭が柔らかいといいますか、分からないからといって投げないイメージです。
だから若い子とのお話も「教えて教えて」ってなるし、みんな好きになっちゃう。
中身がもう可愛い。そんなお婆ちゃんとは話すだけでいろいろもらえそうです。
シズちゃんが亡くなってしまうというのは話の構成を考えてるときから思ってたので、そろそろだなぁって気持ちで文化祭の話とか書いてました。
楓さんがシズちゃんみたいなお婆ちゃんになるといいな。


◇ イメージソング
小説を書くとき無音だと逆に落ち着かないので、うっすら音楽をかけてます。
一度集中しだすと歌詞とか全く聞こえてこないので、ぶっちゃけどっちでも同じなんですけど……。
なんとなくメロディやうっすら聞こえる楽器の音とかで世界観を自分が感じてると楽しいってだけです。
イメージはMISIAさんの『果てなく続くストーリー』
めちゃめちゃ意識して最初から書いてたわけじゃないのですが……。
かなり好きな曲なのでイメージしてお話かけて嬉しかったです。


◇ 没ネタ
性描写ありのお話ですが、実は初めてはクリスマスデートの夜にしようとずっとずーっと前から決めてました。
いつも牧さんが引っ張ってくれるから楓さんからアプローチしてもいいかなぁとか思ってざっくりした流れもちゃんと考えてたけど、まだ高校生の牧さんにお誘いかけて急遽お泊りって本当にあり? とか真面目に考えてしまってやめました。
現実にはそんなことたくさんあるのかもだけどこれ年上だしなぁとか。
牧さんじゃないキャラならきっと書いてたけど、なんとなく親に嘘ついて泊まる流れとかは「解釈違い!!」ってなって全部消しました。多分楓さんもそんなことさせられないとかなりそう。
どこまでも生真面目カップルにさせたかったから同棲後にしました。


こんなところまで読んでる方はきっといないと思いますが万が一いたら本当に貴重なお時間を割いてくださりありがとうございます。
拙い文章ではありますが、牧さんの魅力のプレゼンがほんの少しでもできたらとっても嬉しいですし、お話として少しでも楽しんでもらえていたら幸せです。
個人的には頭の中にあった話を全部吐き出せたので大満足。数ヶ月後読み返したら恥ずかしいのでしょうが、楽しい二ヶ月間でした。

そこそこ長く夢書きしてますが、こんなに熱量込めて書ききったのは初めてなので、自分の記念用に本にでもしてみようかなと思うくらいには思い入れの強い話に。それくらい楽しかったです。
最後までお付き合いありがとうございました。




2020.07.29〜2020.09.28 / naosuke

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