「ん?」

天井から薄い紫の光――魔方陣が輝きだした。
もう一回押すと消える。

「何それ?」
「わかんね」

不思議そうに聞いてくるルーシィに言葉を返し、ぱちぱち、と点けたり消したり。

「よく眠れるように、とか?」
「んー?」

今度は点けたままにしてみる。
目を閉じて、ゆっくり、5秒。

「いや、眠くなんねぇな」
「本当に?あんた鈍いんじゃないの?」

失礼なことをほざいてベッドに近寄ってくるルーシィ。
――何かが違う。

「ルーシィ…?」

その姿を視界に入れた時、急に体のどこかに火がついたように感じた。
ベッドに片膝を乗せて、魔方陣に向かってのばした手。短いスカートからはみ出た白い膝。滑らかな腕。光を受けて影を作る、柔らかそうな――。
ごくり、喉が鳴る。

「うーん…確かに眠くは…んあっ!?」

限界はすぐだった。元より我慢するなんて考え付かなかった。
衝動のまま、腕を掴んで引き倒し、ベッドの上を転がす。

「な、何す…っ!」

非難の声を上げるルーシィを腕ごと抱きしめ、首筋に顔を埋めて唇を這わせた。ルーシィの匂いが強くなって、吸い込むように舐め上げる。

「っ…!」

ルーシィの喉が引きつるような音を出した。
硬直しているものの、押しつぶすように密着した女体は柔らかくしなやかで。
紛れも無い女で。――ルーシィで。
途方もない高揚感に目眩さえ感じて息を大きく吸うと、ルーシィが思い出したように胸を押し返してきた。

「や、ちょっ、ナツっ…!」

耳元で出された悲鳴にちっ、と舌打ちして、腰に回していた手をへその辺りから中に潜り込ませる。
指先が素肌に触れるとルーシィがびくりと跳ねた。
拍子に足がベッドのヘッド部分に当たる。ゴトン、と何かが倒れる音がした。

「ルーシィ…」

手をゆっくりと上に滑らせながら、もう片方の手で後頭部を逃げられないように押さえる。
視線を交える。どんな顔をしているか見たかった。
それが拒絶であったとしても止められる気はしないけれど。
ルーシィは驚いたように目を見開き、ついで、観念したように瞼を下ろした。
呼吸が浅い。
ふ、と魔方陣の光が消えた。唇を押し付けようと体重をかけて――。

「――あ?」

触れる寸前、我に返った。
全身から汗が噴出す。体の下には、柔らかいルーシィ。
こちらも目をぱちくりさせて呆然と見上げている。






寸止めいぇーい!


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