全体は濃いオレンジの羽色で、鮮やかな緑の頭には冠のような長い羽が付いている。

「うぉ…!なんだこの臭い…」

かばうようにナツが体を割り込ませてきたが、すぐに膝をついて鼻を押さえた。
鳥は口から異様な臭気を発している。嗅覚の鋭いナツには我慢できないようだ。

「きゃあ!?」
「ルーシィ!」

怪鳥は怒り狂い、頭を地面に叩きつけるようにくちばしで攻撃してくる。狙いはルーシィだった。
いやそれより、この鳥が襲ってきたのは。

「違う…、これ蛇の卵じゃない!」
「なに!?」
「コイツのよ!間違って持ってきちゃったんだわ!」
「じゃあ返そうよ!」
「…で、でも…」

攻撃は絶え間なく降り注ぎ、卵を抱えたまま鍵を取り出せないルーシィは逃げ惑う。

「ルーシィ!」
「ルーシィ、ルーシィだって生んだ卵を取られたら悲しいでしょ?返してあげようよ」
「あたしは卵生じゃないわよっ!てか、それ言うなら今回の依頼そのものだって…」
「ルーシィ、卵生むなら任せろ!オレはハッピーを孵した実績があるからな!」
「だからあたしは卵生じゃないっての!」

攻撃を避けながらナツに向かって蹴りを出す。予測していたのかしっかり避けられた。
鼻を押さえたまま満足に攻撃すらできないでいるナツに避けられて、心の中でちっと舌打ち。本当にはしない。だって女の子だもん。

「何ぶつぶつ言ってんだ?」

いつの間にか遠く離れていたナツが冷めた目でこちらを見ていた。
むっとしながらも声を張り上げる。

「卵に人間の匂いがついちゃってるから、このまま戻しても温めないのよ!」
「へ?なんだそれ?」
「親鳥が卵をつついて壊しちゃうの!」
「なにぃ!?てか、この臭いの中で嗅ぎ分けられるのかよ!?」
「ルーシィ!ナツ!オイラに良い考えがあるよ!」

ハッピーが閃いたように叫ぶ。

「え?」
「とりあえずナツはあの親鳥を攻撃!気絶させて!」
「気絶ぅ?なんだよ、倒しちゃだめか!?」

鼻をつまんで半泣きのナツ。
よほど辛いのだろう、その顔には早く終わらせたい、と書いてあった。

「ナツならできるよ!」
「お?おお!任せとけ!」
「ナツは単純です」
「そこが良いとこよね」
「え、何ルーシィ。ツンデレのデレターン?」
「何よそれ!?てか誰がツンデレ!?」

鳥の注意を引き付けつつ回避し、言い合っているうちに親鳥の頭にナツの一撃が入る。






ナツはルーシィの卵を温めるつもりのようです


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