久米部×一ちゃん

突然の雷雨に大当たり。ずぶ濡れになって屯所に帰ってきた久米部は「ひえ〜濡れた〜何で傘持たへん時に降るん〜?」とめそめそ。安富には「だから傘持って行けって言っただろうが。人生の厳しさなめんな」と手拭いを放られます。

手拭いを放ると「お前ちゃんと身体拭いてこいよ、濡れた足で部屋に上がってきたら許さんからな」と告げて颯爽と部屋に戻っていく安富は人生よりも厳しい。
「こんだけずぶ濡れやのに薄い手拭い一枚て酷すぎるやろ…」と久米部はまためそめそしながら地道に着物袖を絞り袴の裾を絞り、頭をわしわし適当(笑)に拭きます。

「だって傘荷物になるやんか…。斎藤せんせぇがおったら絶対持って行くけど…」と頬を赤らめてボソリと呟く久米部。その独り言に背後から「俺が、なに…?」と返事が返ってきます。バッと後ろを振り向くと、そこには久米部の大好きな一ちゃんが…。

斎藤「どうしたの久米部、びしょ濡れ」
久米部「ん、大雨にやられてん…」
斎藤「手拭い貸して。髪の毛全然拭けてない」
久米部「え、ええよ別に、髪の毛なんか放っといたら勝手に乾くし」
斎藤「だめ、ちゃんと拭かなきゃ風邪引く」

そう言って一ちゃんは久米部の髪の毛をまるで犬のようにゴシゴシワシワシ拭いてくれるんですが、綺麗に拭いた後、ちゃんと手櫛で髪の毛を整えてくれます。
しかもその体勢は、身体が密着し合って久米部にとってなかなかのラッキーすけべ(笑)

久米部「んんッ、髪の毛梳かさんでも、ほら、元々ボッサボサやから…!」
斎藤「久米部は前髪上げても似合うね、この髪型もかっこいい」
久米部「俺の髪の毛で遊んでるやろっ……てかそんなん引っ付いたら俺着物びしょ濡れなんやから…斎藤せんせぇも濡れてまうで」
斎藤「久米部背高いから、引っ付かないと頭に手届かない。……それに、久米部、腰ぎゅってしてくれてる…から、離れられない…」
久米部「こ、これは…っ、つい反射でっ…!…ごめん、めっちゃ濡れたよな…!?」
斎藤「…ん、濡れたけど別にいい」

謝りながらも一ちゃんの腰を抱いたまま決して離さない久米部と、引っ付いたら自分も濡れるのに全く離れない一ちゃん…。
そして一ちゃんの濡れた濡れる発言を卑猥な感じに結びつけて勝手にドキドキする変態久米部(笑)

久米部「じゃあ…俺、斎藤せんせぇのこと、まだぎゅってしとってもええ?ほんまにびしょ濡れなるで…?」
斎藤「もうびしょ濡れになってる」
久米部「……びしょ濡れ超えてぐちょ濡れやで?」
斎藤「そうなること分かって久米部に引っ付いたんだから気にしないで」
久米部「……けど、濡れて身体冷えて斎藤せんせぇ風邪ひいたら嫌やなぁて」
斎藤「身体冷やして風邪ひくとか、そんなやわな身体してない。濡れるぐらい平気。それに、久米部だっていつも濡れたまま一緒に寝てくれるでしょ」
久米部「濡れたまま…?」
斎藤「うん、いつも布団濡らしちゃった後、だから……、」

そこまで言いかけて一ちゃんは自分の失言に気付き、バッと口を押さえます。顔を真っ赤っかにして久米部の胸に顔を埋める。そんなクソ可愛い一ちゃんを前に、久米部もデレッデレ。
一ちゃんの言動の先が気になって気になってしょうがないんだけど、むしろ問い詰めたいぐらいなんだけど、そこはあえて聞かず身体で応えるよう茹で蛸一ちゃんをぎゅ〜〜って抱き締めてあげる。甘酸っぱい…。

久米部は恥ずかしがり屋な一ちゃんを待ってあげるという寛容な行動が取れる人間なので(そして時には大胆な行動も取れるし)一ちゃんの素直さをグイグイ引き出せるんですわ…。久米部しか出来ん。
照れてだんまりしちゃった一ちゃんを抱き締めつつ、幸せいっぱいな気持ちで腰とか背中を撫で撫でしていると、一ちゃんの方から口を開きます。そう…、待つことで一ちゃんはちゃんと大事なことを言葉にして言ってくれるんですよ。辿々しいけど、それが良い…。

斎藤「……だから、その、布団、とか着物、いつも濡らしちゃうし、それでも久米部は一緒に寝てくれるから…。だからだから…、それと同じで、久米部が濡れてても別に気にしてないって言いたくて、ええと…」
久米部「ん、俺も同じや。斎藤せんせぇが濡れとっても布団が濡れとっても別に構わん」
斎藤「…だから、そんな感じで…、俺だって久米部が濡れてても…引っ付きたいって思うの…!」
久米部「ンンッ…(好き…!)」
斎藤「………いつも布団濡らしてごめんね。毎回濡らさないように我慢しようって頑張ってるんだけど…」
久米部「それ我慢頑張らんでええやつやから。謝らんといてや?……あ〜…なんなん、斎藤せんせぇそんなこと申し訳ないって思うてたん?」
斎藤「だって、布団濡れたら冷たくて気持ち悪いでしょう?着物だって…。それなのに久米部、嫌な顔せずに一緒に寝てくれるし…」
久米部「嫌やない(即答)!!なんなら一緒に濡れたいなぁて俺は毎回思うてるから…」
斎藤「………う、ありがとう…」
久米部「いや、我慢して耐えとる斎藤せんせぇも可愛いんやけど…、そんな布団濡らすことに罪悪感感じらんといて欲しいっちゅうか…、その、俺は是非とも濡らして欲しいっちゅうか、むしろそうなってくれた方が俺は嬉しい…」
斎藤「久米部……」

ヘタレに見せかけて久米部は言うこと言うし、大事なところは素直にしっかり伝えるので一ちゃんをキュンキュンさせるんですよね。
キュンとさせて良い雰囲気になって熱いチューの展開へ…となった時に、雨に打たれ全身びしょ濡れになってた寒気が急に押し寄せ、久米部はブェックショーイ!とオヤジ級のくしゃみをしてしまいます。久米部は良い雰囲気を一瞬でブチ壊す天才でもあるのです。
ブチ壊した挙句、一ちゃんから反対に風邪を引くと心配され、早く部屋に戻って着替えろと言われてしまいます。ですが久米部は一ちゃんからまだまだ離れたくないので、めっちゃ諦めないし、めっちゃ甘えてくる(無自覚)
「……斎藤せんせぇも俺のせいで着物濡れてもうたんやから、一緒着替えよ?俺、まだ離れとうないもん」と久米部から素直に言われれば、一ちゃんも甘ちゃん久米部にきゅうん(笑)それに、こんなことを言うってことはもう確実な熱い情事のお誘いです。


二人で一ちゃんの部屋に戻り、誰も来ないことをいい事に、障子をピシャンと閉めたら久米部は大きな手で一ちゃんのもちぷりお尻を揉み揉みします。くすぐったいのにやめてくれないし、身を捩っても久米部の腕の中からは逃れられないし…もう発情した大型犬そのものを相手にしてるよう…(笑)

斎藤「濡れてるから先に着替えるんじゃなかったの…っ?」
久米部「着替えなあかんけど、もう斎藤せんせぇと二人きりなったらあかん、触りたい。全部気持ちいい。なんでこんな堪らんのやろ、好きや」
斎藤「……恥ずかしい。」
久米部「斎藤せんせぇが俺に引っ付いて髪の毛わしゃわしゃしてくれたやん、正直そっから堪らんかってん」
斎藤「結構序盤…」
久米部「な、もう一回頭撫でて髪の毛触って」
斎藤「犬じゃないんだから…」

半ば呆れ顔で、でも仕方ないなぁと言う風に一ちゃんは久米部の頭を撫で撫でしてわしゃわしゃしてあげます。で、そのうち押し倒されます。
そして十分に愛し合った後、お互い綺麗な着物に着替えて久米部は一ちゃんにぷんすか怒られてたらいい。(久米部の着替え用の着物は一ちゃんの部屋に何着か置いてあります)

斎藤「茶屋じゃないんだからッ、屯所でする時はああいう激しいのはやめてって前にも言った!!音とか声聞こえてたらどうするの!?」
久米部「だ、だってぇ…っ、斎藤せんせぇが可愛すぎるからあかんのやもん…っ」
斎藤「人のせいにするな!」
久米部「声は斎藤せんせぇ自分のせいやんかっ、音響かせたのは確かに俺が悪いかもしれへんけど、斎藤せんせぇが俺のぎゅうぎゅう離さんし、もっともっとて強請るから俺かて調子に乗るやん!!」
斎藤「言い方!!」
久米部「百歩譲って音出したんは認めるとして…、声はちゃうやん!俺そんな喘いでへんもん!」
斎藤「ハアハア喘いでた!!」
久米部「なんやそれ俺変態やんか!そのハアハアは頑張った末のハアハアやねん!!斎藤せんせぇはちゃうもんね!真の喘ぎやったもん!」
斎藤「だって気持ち良すぎたから…ッ!」
久米部「!?」
斎藤「…い、今のは聞かなかったことにして…」
久米部「そうやって無意識にぽろっと可愛いこと言うから喘がせたくなんねんて」

急に大人っぽく微笑むと、ムキになってた一ちゃんを抱き締めて今度は久米部が一ちゃんの頭を撫で撫で。

斎藤「こういう時だけ年上出して来るのやめて…久米部のくせに、でっかいわんこのくせに」
久米部「だって実際年上やもん、仕方ないやん」
斎藤「納得いかないけど納得してあげる」
久米部「素直やないなぁ、斎藤せんせぇは」
斎藤「……ね、雨、まだ降ってる…?」
久米部「ん、土砂降り。だから音も声も外に漏れてへんよ。斎藤せんせぇの声、誰にも聞かせとうないから…。俺、そこまでアホちゃうし、斎藤せんせぇが思てるような尻尾振るだけの犬っころじゃないねんで」
斎藤「…土砂降り、まだまだ続くといいな、朝まで」
久米部「なぁ、それ誘ってもろてるて都合よう捉えるけど、それでええ?それでええよな?」
斎藤「……うん、いいよ」

こんな感じで朝までラブラブイチャイチャするんですよ、きっと。しかし一ちゃんをぷんすかさせるぐらいの激しいエッチとは…。久米部どんな感じで一ちゃん攻めたの?って感じです。
久米部と一ちゃんは喧嘩しないけど、久米部の行き過ぎた破廉恥行為に面白い言い合いを繰り広げてるといいですね。二人とも可愛い。
久米部は甘ちゃんで何をしてもギャグにしかならないんだけど、ふとした瞬間大人を見せてくるので一ちゃんはギャップ萌えしてると思います。久米部のこと大好きだと思う。


翌朝自室に戻ると安富がたくさんの手拭いを抱えたまま久米部を出迎え、「俺はお前に昨日薄い手拭い一枚しか渡さなかったから、それはあんまりだったよなとか自己嫌悪に陥りつつ、お前が部屋に戻ってきたらごめんな…つって、たくさんのふわっふわな手拭いで包んでやろうと思ってたのに、お前なんでもないような顔して今帰室!?朝帰り!?なんなのお前!?お前を優しく想った時間返せよ馬鹿たれが!!」と喧々叫ぶ。
安富も久米部のことはなんだかんだ世話焼いてくれるし、なんやかんや大好きだと思う(笑)男の友情ですね。


髪掻き上げ妄想からこんなに長く語ってしまいました、満足です。ここまで読んで下さった方がいらっしゃいましたら誠に光栄です有難う御座います!
やっぱり久米部と一ちゃんはいいな…!佐々木と一ちゃんも大好きなんだけど、また別物の良さを感じます…。甘酸っぱ〜い、ほっこり…。





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