髪/ギン乱

くるくると、自分の金糸が纏め上げられていく。ギンはひどく器用だ。流魂街にいる時から、乱菊の髪を弄るのはギンの役目だった。あの頃は高価な簪も、綺麗な櫛も無かったからギンは拾って来た櫛で乱菊の髪を梳き野で積んだ小さな花を頭に差していた。

「髪は女の命なのよ」

鏡の中の自分を見つめて、乱菊は口を開た。ギンはせやな、と呟いて乱菊が現世の雑誌で見つけて来た難解な髪型を再現していく。乱菊が無理矢理に技術開発局に頼んで造らせたコテに髪を掬い、巻きつける。数十分の格闘の末、乱菊の髪は雑誌のモデル以上に綺麗に仕上がった。

「できたで、」

ギンがコテやら櫛やら何やら片付けながら言う。乱菊はお礼を述べて、鏡の中の自分を見る。先程まで癖っ毛がうねっていた髪は頭の上で綺麗に纏め上げられて、毛先はコテで同じ方向にカールをつくっていた。流石ギンね、と思いながら立ち上がり、髪型を崩さない様に、気を払いながらギンに抱き着いた。

「私の髪を弄って良いのはギンだけなんだから」

「おおきに、」

ほな、デートにでもいこか、と笑うギンの腕をとって乱菊も笑った。


(あなたに命を預けてる)



ageha見てたら書きたく為りました。
ので、乱菊さんの髪型はそんな感じのを思って下さい。


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