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青峰さん視点

カジノで火神を焚き付けてみれば、彼はいとも簡単に乗ってきた。やはり新人と言うことか、動揺してしまう所が未々青い。まあ、彼は己とそんなに年が違う様には見えなかったが、ようは、経験だ。特にこの世界で経験がものを云う。それにしても、今吉さんから聞いていた話がこんなところで役に立つとは思わなかった。折角、船旅にでたというのにいざ蓋を開けてみれば顔見知りばかり。うんざりしていたが、これで楽しくなりそうだ。火神が何を目的に来ているのかは知らないけれど。まあ、いい。

「火神、部屋につれてけよ」
「あ?」
「私と、遊んでくれるんだろう?」

この退屈な船旅が楽しめれば、それで万事オッケーだ。





以下火青♀のえっちいのです。18才未満の方、苦手な方は飛ばしてください。本編に支障はないです。





火神の部屋に入り込んで、酒が入っていたからかその侭ベットに二人してもつれ込んだ。

(あああ、気持ち悦い)

彼の人指し指と中指が体内をくねる、まさぐる。くちゅり、と淫靡な音を立てて。火神の指先は、その手は武骨で、大きくて。武人というか、争い事に慣れた人の其である。銃を握るために一部のみが硬化しているのも、素敵だ。

「あ、っは……火神ぃ、やめろよ、ソレ」

態と体を捩らせて、唇を拒否の形に歪めれば、彼は捕食者の目で数秒此方を見つめた。燃える様な緋色が私を狙っている。ほら、普段は紳士ぶってるつもりなのかもしれないが、一皮剥けば皆ケモノだ。目の前にぶら下がる肉の事しか考えられない。男なんて、女なんて、そんなもん。警察だかICPOだか、大層な看板を掲げていても、中身は雄だ。火神は無言のまま行為の続きに戻る。小煩い事を嘯いた私の唇を塞いで舌が口内で蠢いていた。さっきよりも荒々しくなった手と舌の動きが私を満たしてゆく。

「何が、駄目なんだよ…」

彼の中指は一層激しく動かされる。くちゅり、と卑猥な音に脳髄が震えた。想像以上だ。私の頭の中は浅ましい欲でいっぱいいっぱい。体内に収まり切らない劣情が唇から蜜の様に零れ落ちる。

「なあ、青峰…」

名を呼ばれて反応したそこは子宮だった。じくん、と痺れるように膨らんだ気がする。そこ確かに熱を持っていて血液が脈打っているのが身体全体で感じられた。これは 生殖行為なんかじゃなくてただの性欲処理、お遊びで。質 の悪い熱病に浮された様に互いを貪り合う。この腹にできるかもしれない寄生生物など要らない。(ピルを服用してはいるけれど) 只々私を狂わすそれだけが欲しい。 やがて私の胎内に挿入されるはずの物。そこから放出される精液も私は一滴も残さずに啜り上げたい。色狂いだのビッチだの、何を言われても構わない。この、脳内が真っ白にショートする瞬間が何よりも大好きだ。生きていると、感じられる。

「ぁ、は」

ぬるり、と抜かれた中指。指二本分、私の膣内から質量が消えた切なさに下腹部が疼く。火神が見せ付ける様に目の前に、今まで私の中にいた指先を持ち上げた。微かに生 臭いそれ。

「早く寄越せよ、」
「うるせえな…言われなくても突っ込んでやるよ、牝犬」

緋色から黒色へグラデーションの様に変色している彼の髪を乱暴に引っ張った。さあ、さあはやく。火神は満足そうに笑んで中指をぺろりと、舐めた。期待に胸が高まる。ちらり、と視界の端に納めた彼自身も限界だ。赤黒く、猛っている。じくりじくり、と 私のしとどに濡れた入口 が疼いた。

「ん、」

胎内に侵入して来た、中指とは比ぶべくもない圧迫感。質量の分だけの快楽が私を犯す。もう何もわからない。爪先から頭の先、全部が性感帯みたいで、愉悦に酔いしれ た。身体の中が、脳裏の奥がいっぱいいっぱい。

「は、お前のナカ、マジ気持ちいーわ」

ガツガツと、餌を放られた獣の様に腰を振る。男のそんな様が見たくてセックスをするんだ、と宣ったのは黄瀬だったか。まあ、どうでも良い。今が楽しければそれで満足だ。そう思い、押し寄せる快楽に身を任せた。


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