*瀧本side**
しかし俺の予想に反し、堀田は俺に縋るどころか、俺を利用する気配すらなかった。
鉄壁の無表情を張りつけ、暴力を見せびらかす俺に怯えもしない。そのくせ煙草は吸うし、授業もサボる。
むしろ俺に落とされるといち早く気づき、器用にも距離を図った。
あぁ、おもしれー。
いつからか、俺の目的は堀田の絶望ではなく、堀田の絶望から抜け出す手段を楽しみにしはじめた。
だからそれまで以上に堀田のことは観察したし、これまで以上に甘やかしもした。そうして気づいたのは、堀田の苛められる原因と思い人。
男だろうが女だろうが元より関係なかった俺にとって、くだらねー理由で惨めになった堀田は同情を誘う要因にすらならなかったが、その目が事あるごとに一人の男に向かれることは、ただ面白かった。
自分を助けようともしない、けれど自分が惚れた男。
執拗ではない、さりげないほどふとした瞬間向けられる堀田の視線。気づいているのだろうか、その視線が毎回絡む理由を、いいや堀田は気づきもしないだろう。
「辰己(たつみ)さん、邪魔しますよ」
気を失った堀田の中へなお注いでいると、部屋の襖が開かれた。現れた女二人は堀田の童貞を食わせた俺の駒。その手に持つ着替えに目をやり、もう言いつけた時間になったのかと、ようやく自分の物を抜く。
下品な音を立てながら溢れ出る精液の量は尋常じゃない。堀田が女なら確実に孕んでいただろうに、勿体ねぇなぁ。
「彼、どうするんです?」
しっとりと微笑みながら、溢れ出た精液に舌を伸ばす女は迷うことなく堀田の肛門に口をつけ、淫らな音を立てて種を吸い出す。もう一人の女は未だ滾る俺の物を咥えこんだ。
「どうするもこうするも、そいつ次第だな。俺が飽きるか、そいつが上手くやるか。まぁ当分飽きるとは思えねぇけどよ」
「飽きたら売りますか?」
「いや、売らねぇ」
さっきまで嵌めていた穴の具合が良すぎた。女の口じゃあ熱を放つのは難しい。俺は女の髪を掴んで退かすと、服の乱れも気にせず隣の障子を開け放つ。
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