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「玲央は今回のこと、最初から知ってたわけ?」

「多少は、な。でも全部知ってたら許すわけねぇだろ。お前が危険な目に合うことに俺が加担するかよ」

「……」

「照れんな、馬鹿トラ」

「て、れて、ねーよ」


嘘つけ馬鹿、と笑いながら再び歩き出す玲央に引っ張られ、俺も歩みを進める。


「でも玲央が巴さんのこと、そういう風に見てたのにはちょっと驚いた」

「あ?」

「だって玲央、巴さんのこと嫌ってたじゃん?」

「……あいつはなに考えてんのか分かんねぇからな」

「うん、でも玲央らしい」

「は?」


矛盾したことを言いのける俺に玲央がこちらを向く。そんな玲央を見上げるような形で視線を向けて微笑む。


「玲央ってさ、実は結構周りのこと見てるし、ちゃんと考えてるもんね?」

「……」

「ほら、その証拠にブラックマリアの不良たちもさ、突然解散されたのにさっきはお世話になりましたってちゃんと挨拶してたじゃん? それってさ、玲央が解散させる前に皆で売人捕まえて警察に突き出した、なんだろ、正義の活動? みたいなことをして、ちゃんとブラックマリアってチームに意味を与えたからじゃん?
それに司さんのことも、玲央は撮影に行ってて近況なんて分かんなかったのに、帰って来てものの数日で説得できたのは、普段からちゃんと司さんのこと見てて知ってるからでしょう?」


だから玲央は、自分勝手だけどちゃんと考えてるよね。そう笑った俺を見つめていた玲央が、視線を前に戻して口を開く。


「俺が一番考えてるのは小虎、お前だけだ」

「え?」

「正直、司や巴が誰かのために馬鹿なことしようが、そんなの興味ねぇ。だから撮影を続けた」

「でも、撮影は仕事だし、実際玲央は帰ってから……」

「今回の撮影は今後俺の人生を大きく左右する。お前を養うためにも好機は逃したくねぇ。意味、分かるか?」

「……」


なにも答えずにいる俺に、獣が笑う。


「俺は他の誰よりお前自身と、お前との将来を考えてるってことだよ」




 


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