Funny


ハロウィンパーティのことは一旦忘れた。
ハロウィンパーティなぞ無い。いいね?
それよりも明後日のホグズミードだ。
……なんで私はこんなにも考えるべきことが山積みなのだろう。言わずもがな、原因はあの二人にあるのだが……これだと私の髪の毛が無くなる方が、卒業よりも早いんじゃないだろうか。
ああ、恐ろしい。


「ハルカ」

「来たな、元凶」

「酷い言われようだな」


明後日のホグズミード。
何故かマルシベールから「行かないでね」とのお達しが出た。

いやもう本当意味がわからない。

こいつらは私をニートにしたいのか?
楽しみにしていた――と言ったら行くことを諦めているようだが、私は諦めていない。絶対に行ってやる――ホグズミードに行くななんて。

意味がわからない。


「で、明日と明後日フリーだけど。何する?」

「びっくりした。明日はいいとしても、私明後日予定入ってるひゃあ杖しまってしまって」

「ホグズミードには行かないで、って言ったよね?」

「行かないでとは言われたけど、行かないとは行ってないんだよなぁだから杖まず降ろせって」


全く、すぐ暴力で解決しようとするんだから。
怖いことこの上ないよ。まじで。


「ていうかなんでホグズミード行っちゃ駄目なのさ」

「なんで、か」

「あー……そっか、ハルカは知らないよね」

「たぶん、あの方の下僕がうろちょろしてるぞ」


びっっっっっくりした。
最近びっくりしすぎで近いうち心臓が止まるんじゃないかって思ってる。


「……、……」


またまたぁ、とか、嘘だぁ、とか。
疑惑の言葉を投げかけようとしたが、二人の表情はいつになく真面目だった。
それはもう授業中よりも。
寧ろこんな真面目な二人初めて見た気がするぞ……。


「失礼なこと考えてるよね絶対」

「バレた」

「ま、そういうこった。お前は大人しく俺たちと勉強してりゃ良いんだよ」

「何する?と聞いといて勉強確定かよ」


びっくりだわ。


「でもホグズミードに行きたいなぁ……ハニーデュークスにしか売ってないお気に入りの飴、もう無いんだよね」

「次でいいだろ食いしん坊が」

「む、むう……」


無理、と言いたかったが……あの方って、あの方だよね?
やっぱこいつら例のあの人と精通してるのかぁ。
そりゃそうだよな、有名な一族だし。
わざわざ忠告してくれるってことは、それなりにやばいのだろう。
……大人しくしてるか。


「……分かった。じゃあ終わってない課題があるからそれやる」

「聞き分けいいね。僕達が教えてあげるよ」

「のーさんきゅー。部屋で一人でやるんで。……さらば」


…………大人しくしてるわけないだろばーーーーーか!!!!!!
ぜってー明日行ってやるからな!!!!!!
飴だけさっと買ってさっと戻って来てやるからな!!!!!!!!
例のあの人の下僕だかなんだか知らんが、おとといきやがれ!!!!!!

と心の中では叫んでも。
あれ以上マルシベールの全てを見透かすような目で見られてたら、何かぼろを出しそうだった。
早々と退散退散。












「……あれは」

「うん。まあ、行くだろうね」

「マルフォイ先輩が厄介だな」

「ブラックもね。あーやだやだ。さっさとどうにかしなくっちゃ」




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