ビリビリビリビリ


確かにおすすめでとは言ったけど。
確かにスタイルを褒めてくれたけど。
化粧もしてくれたけど。
キッラキラなアクセサリーも着けてくれたけど。





「これはちょっとなあ…………」


あまりに露出が多すぎるのでは??
胸元も背中もがっぱり空いてるし、肌色の方が多いし、衣服として心許ない……。
ルーシィとかミラちゃんが着るなら分かるけど……これ激しく動くとぽろり案件やぞ……。


「大丈夫です、とてもお綺麗ですよ」


おっとりした声のメイドは言う。


「ええ、彼氏さんもイチコロ間違いなしです」


凛とした声のメイドは言う。
…………って、


「彼氏じゃないわ!!」

「あら……それは失礼しました。でも……」

「でも……?」

「固まってますよ」


凛とした声のメイドは言う。


「ほら」


おっとりした声のメイドは言う。
そして私の後ろを指差す。


「……?……ぎゃっ!!」


釣られて後ろを振り向くと、そこには確かに固まっているラクサスがいた。
正しく雷に打たれたというか……いやほんと固まってる。面白い。

……私のセクシーさに圧巻されたかな?
なんて


「……視界の暴力だろ」


デスヨネー!!!!
クソが!!!!!!
そんなラクサスはかっこいいよクソが!!ガタイいいからスーツ映えするなクソが!!!!


「ファッキン!!」

「お前に着られるドレスが可哀想でならねぇ」

「慈愛に満ちてますわね!死ね!!」

「あー……そろそろ良いですか?」


バツが悪そうに言う執事。
ごめんなさいと視線をクソから執事へ向ける。

うーん、背中スースーする。


「では、これから会場へ向かって頂きます。怪しい者がいた場合は、コレで警備員に報告して下さい。緊急の場合は、報告より先に貴方達が手を出してもらって構いません」


と言って差し出されたのは、小型のインカム。


「……ふんっ」


私はインカムを受け取り、ラクサスを睨みつけ、早々と会場へ向かった。
コイツより手柄を立てて報酬全部いただいてやる。



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