甘いお菓子   今日はちょうど暇な時間ができた。前に承太郎に作ると言っていたケーキを作ろうと思ったけど、私はそこまでお菓子作りが得意なわけじゃない。女の子でしょ!って?甘いな、女の子だからってスイーツ作りができると思うなよ。 そこで、だ。我らが花京院くんに助っ人に来ていただいた。なんでかはわからないが彼はやたらお菓子作りだとかそういうのが得意だ。手先が器用なんだろうね。うらやましいわ。 『ねぇ、このクリーム甘すぎじゃないかな? 承太郎大丈夫だと思う?』 「どれどれ…、うーん多分これくらいなら平気じゃないかな?」 そうかそれならいいや、承太郎が甘いもの食べてるのあんまりみないからな…。どれくらいが平気なのかさっぱりわからない。まぁ承太郎の親友である(そうだよね?)花京院くんが言うなら間違いないだろう。これで「甘くて食えたもんじゃねぇ」なんて言われたら花京院くんの顔にクリームたっぷりのケーキを投げつけてやろう。 「ちょっと、優今変なこと考えたでしょ」 『え? やだなぁそんなことないよ。ただ、もしかしたら花京院くんの顔が生クリームだらけになるかもしれない』 「え!? なにそれなんで僕そんなことになるの…」 ははは、冗談だよ冗談…。とまぁそんなくだらないこと話していたらいい感じの出来になってきた。生クリームがケーキを均等に覆い隠すようにして塗られている。塗ったのは私。 その上から絞り出し袋を使ってデコレーションをしていく。小さな花がいくつも散らされたように繊細かつ可愛らしい出来栄えになった。デコレーションしたのはもちろん花京院くん。私がそんな細かい力加減できると思うなよ。あれ?これほとんど作ったの花京院くんじゃないか? いや、今さらそんなこと気にしちゃ駄目だ。無駄無駄ァ! 『よしっ! 出来た! 後はこれを箱に入れて承太郎に渡すだけだ…』 「お疲れ様〜。承太郎喜んでくれるといいね」 なんか花京院くんからお花でてる気がする…。いい笑顔だ…。そしてものすごい癒しオーラがでてる。労われてるけど、頑張ったのほぼ花京院くんだからなんか申し訳ない…!なにか花京院くんにあげられそうなものないかな、なにか…。 ……あった!一昨日作った(そこまで立派なものじゃないけど)チェリーのチョコ。簡単なものから挑戦しようと思って作ったやつ。本当にコーティングしただけだからそんな人にあげるようなものでもないけど、花京院くんチェリー好きだからいいよね。 『はい! 花京院くん大好物のチェリーのチョコ! コーティングしてあるけど中はチェリーだよ』 「えっ! ありがとう、早速いただきます」 レロレロレロレロレロレロレロ。あ、やっぱりその食べ方なんだ。チョコついててもチェリーはチェリーなんだ。あれ、チョココーティングした意味なくない? まぁいっか。 「ごちそうさまでした。なんだ、優でもお菓子作れるじゃないか」 『え〜でもチョココーティングしただけじゃなんか胸張ってお菓子作れます、なんて言えないよ』 「それでも僕は貰ったら嬉しかったけどね」 『ま、でもまたお菓子作る機会があったらその時はよろしくね。チェリーのお菓子作って待ってるからさ』 じゃあ僕はお返しのチェリーを期待しながら手伝いに来るよ、なんて言った顔が茶目っけがあって可愛くもありかっこよく見えた。不覚にも少しときめいた。あれ、なんだこれは。 終 [mokuji] [しおりを挟む] |