君が笑う
『"アクマ"からこの星を取り戻す』
ノットを襲った魔物が言い残した台詞。
その言葉を、アクマ、という単語を聞いて、君は酷く動揺して、顔を強張らせた。
アクマがどのような存在か説明する君は凛としているようでいてとても悲しそうで。
説明を終えた君は僕らに頼んできた。
"私はすべてを知りたい、だから知識の宝庫ラングへ連れて行って欲しい"、と。
自身の目で確かめたい、と言う君の姿にすぐに同意の言葉を発していた。
ここで考えているよりよっぽど前向き。確かにそう思ったけれど何より君の願いを叶えたいという想い。
君の笑顔を奪った、その元凶、アクマ。
それさえ無くなれば、またたくさん笑ってくれるかな。
エディフィスに危機が迫っているというのにボクの頭に浮かぶのはその思いばかり。
「行こう、ラングへ」
プリシスが君に手を差し出した手を、その手を握った君の、穏やかな表情を見て決意した。
君が笑う、
(そのために、ボクは出来る限りのことをしよう
そう、アクマさえ倒せば、君の笑顔は戻ると思ってた)
そんなあの頃
(2010.11.14)
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