お盆
2012/08/11 19:36

普段は誰にも話さないのですが、今日はちょっとしんみりと故人を偲んでみたいと思います。

今年のお盆は父が他界して二度目のお盆になります。
一昨年の12月30日が父の命日。
覚えていて下さっている方もあるかもしれませんが、私の誕生日は12月の29日。
父は私の誕生日の次の日に息を引き取りました。
母と二人で『私の誕生日をお祝いして、頑張ってずらしてくれたんだね』なんて言っていました。

血液のがんでした。
血液を作る細胞ががんになり、血液を壊す細胞になるという病気でした。
現代医療では治療法がなく、10万人に1人がかかる不治の病とされていました。

3年9ヶ月という長い闘病生活でした。
晩年の父は血と骨を壊す細胞のせいで全体的に小さく縮こまり、気付けば私の方が大きくなっていました。
僅かに私を見上げて話をするようになった父の姿に何度も鼻がツンとしました。

先生から、『これが最後の入院になるだろう』といわれたのが亡くなる2ヶ月前の事。
私は勤めていた仕事を辞め、実家に帰る事にしました。

入院の度に、始めはまるで旅行に行くかのように嬉々としてお菓子やジュースをたくさんバッグに詰めていた父は、段々と食欲も失せてゆき、最期は母の作った大好きな手料理も食べられなくなってしまいました。

最後の入院をした父は急激に状態が悪化しました。
トイレに行く事ができなくなり、幻覚を見るようになり、幻聴を聞くようになり、起きる事が出来なくなり、話す事が出来なくなり。
母は懸命に天気の事や家での出来事など、父に色々な事を話し掛けましたが、私はどうしてもそれが出来ませんでした。

23日には追突事故を起こし、まさに踏んだり蹴ったりでした(苦笑)
あれは向こうも悪かったんだと今でも思うんです…!(お酒臭かった気がする)

亡くなって、火葬されて、御骨になってお墓に入れられて。
私はついに泣く事が出来ませんでした。

抗がん剤の強い副作用で辛い思いをし、骨がぼろぼろになり、歩く時だって激痛が走っていたはずなのに最後まで一言も『つらい』と言わなかった父に対し、亡くなって悲しい、という思いより、楽になってよかったね、という思いのほうが強かったのです。

子供嫌いな父が私を授かってから劇的に変化して、べろべろに甘くなったという話を私は幸せに思っています。
父は不器用な人でしたが、いつもたくさんの愛情を私に注いでくれていた事を私はちゃんと理解していました。
…惜しむらくはそんな大好きな父に花嫁姿と孫の顔を見せられなかった事でしょうか^^;

墓石をぴかぴかに磨き上げ、墓前に手を合わせて近況報告をしました。
元気でやっていますので、どうぞ見守っていてくださいと言って帰ってきました。

いつか私が天寿を全うしてこの世を去ったとき、胸を張って父と会えるような人生を送っていこうと父が亡くなったあの日からずっと思っております!

ちっとも面白くないお話に最後までお付き合いくださり、心より感謝申し上げます!
このようなおまけページまで愛してくださる方々のご好意につい甘えてしまいました。申し訳ありません。

さて、これから店番をしながら一ページ作ろうと思います。
受けたご恩は少しでも面白いお話を書いてお返しする!と言う事で頑張って書いてきます!

最後に重ねて厚く御礼申し上げます。
いつも本当に有難うございます!!



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