4
「……(こそこそ)」
「どうしたんですか?泥棒さんみたいな歩き方になってますけど…」
「ギクーン!小鳥ちゃん、しー!奴らに気づかれないように頼みます」
「何かしちゃったんですか?」
「いやいや。実はね。そろそろリアル世界が豆まきなのよ」
「豆まき…?あ!節分ですか?」
「正解!だから奴らにも豆をぶつけてやろうとね」
「……吸血鬼、だから?」
「そう!鬼って漢字がバッチリ入ってるから。というわけで寝込みを襲います」
「えぇ!?」
「へー。楽しそうなこと話してるね。僕もまぜてよ」
「げ!ラスボス長男が早くも登場!?」
「ねえ、小鳥。僕の寝込みを襲ってよ」
「指名されちゃったよ小鳥ちゃん!」
「え?え!?」
「君にならいつ襲われたって構わない。そのまま殺されようとも、それが君の愛情なら受け入れるよ(そっと小鳥にナイフを渡す)」
「えと…あの…」
「こらー!小鳥ちゃんドン引きしてるからやめい!」
「チッ、邪魔なぬいぐるみめ。ズタズタにしてあげるよ」
「おい、俺のクマ太郎壊すな」
「カロン!救世主!」
「いや、中身のあんたはどうでもいい感じ」
「…素直だね君も。そんな子には、とりゃー!!ストレス発散の豆まき!」
ビュン!!
「(パクリ)もぐもぐ」
「あ」
「食べちゃいました…?」
「鬼が食うな!!」
「んー…微妙だなこれ(もぐもぐ)」
「歳の数だけ食べなされ」
「歳の数?絶対ヤダね」
「もうね。君はいいよ。鬼役で豆に当たってくれれば」
「断る」
「つーか、あんた歳いくつ?(もぐもぐ)」
「乙女に歳を聞くもんじゃないよカロン!」
「ハハッ、乙女って…」
「笑うなー!女はいくつになっても乙女なんだよ覚えとけい!」
「(もぐもぐ)」
「カロンさん…もしかして全部食べちゃいます?」
「んー(もぐもぐ)」
「あっ!いつの間にか持ってた豆、全部カロンにとられてる!」
「(ザラザラザラ)」
「一気食いすんな!!返せぇ!」
[ 4/13 ]
[*prev] [next#]
[back]