右斜め前に座る、君の横顔を 後ろから静かに見ていた。なんだかとてもうれしくなった。


「あっ」

「どうしたの?」

「あ、いや、何でもない。」


彼より私に近く座っている男子が、前かがみになってノートを書き始めた。そのせいで彼が見えなくなった。そのせいで、声が出てしまった。

彼が見えない、それだけで少し寂しくなる。



「−−ということで、次回からは第3章に入ります。」

教授の声が私のそばを駆け抜けていく。



授業が終わって、皆が話しながら出ていく。次の授業には彼がいるだろうか。



話しかけるわけでもない独りよがりの静かな恋はゆっくりと育ち始めた。




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あとがき
半フィクション。ノンフィクションでもフィクションでもなく”半フィクション”ですw


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