別れの言葉を継げて、するりと離れた手。離れていく君のぬくもりにただたださみしさを覚える。
「あ・・・・」
「どうしたの?」
思わず漏れてしまった声に疑問の声が返ってくる。
優しい、優しい 貴男。
「・・・・・・何でもないよ。じゃあ、また。」
「・・・なら、いいんだけど。」
納得してない顔で貴男は私の言葉にうなづく。
隣にあったぬくもりも、そこから消えていった。
一人で歩く帰り道、さっきまでそばにあった暖かさがなくなって、冷たい冬の風が私の体から温度を奪っていく。
君の残像が、君の残滓が 私の心に疵を残していく。
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あとがき
これ以上長くするとどんどん暗くなっていきそうな恋愛の短編でした。
量にしておおよそルーズリーフ半分くらい(空白含む)。相変わらずの短さです。