相談ってなんだろう
って考えていたらお腹が空いて眠気に耐えれなくなって寝てしまったのは、まだ一時間目が始まって数十分後。今日は移動授業もないせいか、誰一人私を起こそうとせず、あっという間にお昼休みに。4時間目が終わるチャイムと共に目が覚め、体を起こす。
「名前、おはよう」
にこっと声をかけてきたのは斜め前の友人。最近、私と木吉くんのやり取りをみてニヤニヤしている子。
『おはよう』
「今日は木吉くんとお昼だから一緒に食べれないねー」
にこーっと笑顔で言ってくる友人。
『その顔、ムカつくわー』
「てへ☆」
うわー、殴りたい
『じゃ、行ってくる』
「何かあったら教えてね」
『何もないから』
そして木吉くんの教室へ向かった
◆
『木吉くーん、いてますかー?』と教室のドアの前で叫べば「名前!こっち!」と声が聞こえ、案外近くにいたことに気づく。どうしようか、と思いながら木吉くんの前の席の椅子を借りて腰かける。
『で、相談って?』
ご飯を食べながら聞く。
「実は明日の試合でやってみたいことがあるんだ」
もくもくと食べながら黙って私は彼の言葉を聞く。
「C(センター)とPG(ポイントガード)の2つをしようと思ってる」
『…は?』
何言ってるんだコイツ。と、思わず眉間にシワが寄る。Cは最前線のゴール下で力勝負のポジションで、逆にPGはゴールから一番遠い司令塔という真逆なポジション。
「チームの為にCをやるのがベストだとは思っている。…けど、それだとダメなんだ。このままじゃきっと全国には行けない」
あぁ、そうか…木吉くんは今のポジションに限界を感じてるのか…
『…じゃあ、両方やればいいじゃない』
そう言えば一瞬固まる木吉くん。固まったかと思えば今度は笑い出す。
「…ぷっ、はははは」
ちょ、せっかく答えてあげたのに!いや、まぁ確かに無理があるだろうけど、2つやろうと思うって言い出したの木吉くんじゃない!!
突然笑い出す木吉くんに少しイライラする
「それ、この前コガにも言われた。皆は無理だろ、とか言ってたけどな」
小金井くんと同じ事を言ったのか私、とちょっとショックを受け冷静になる。
『まぁ、1つにこだわる必要なんてないと思う。自分がやりたいポジションや、やりやすい方法でプレイすればいいんじゃない?やりにくいポジションをしてても、伸びないよ』
「………あぁ、そうだな!」
『うん』
てか、皆に相談してたなら、私に相談する必要なんてなかったんじゃ…
「やっぱり、名前に言って良かった。ありがとう、名前。」
『…どういたしまして』
◆相談
(少しでも君の役に立てたなら良かった)
(ありがとうって本当に嬉しそうな顔で言うもんだから、こっちまで嬉しくなった。)
20140529編集