『ごめんね』

日曜日の試合の日は用事かあるので行けないと伝えれば、悲しそうな顔をする彼、木吉鉄平くん。

「まぁ、用事だと仕方ないよな」

にこっ、と笑うがどこか悲しそうで、せっかく誘ってくれたのに、なんだか悪いなと罪悪感にかられ私まで元気が無くなる。

「うわ、なにこの空気」とトイレから戻ってきた伊月くん。

ちなみに今はお昼休。ご飯を食べ終え、話をしている。日向くんはどこかに行っていない。おそらく相田さんの所だろう。この頃よく一緒に居るのを見かける。

確か日向くんがキャプテンになったんだっけ?てっきり木吉くんがするかと思ったのに…と隣の席で落ち込んでいる木吉くんに目を落とす。マネージャーになるつもりはないけど、ここまで落ちこまれたらどうしたらいいか分からない。

『本当、ごめん』
「いや、仕方ないよ」

何回、このやり取りをしただろうか。そんなやり取りを見計らってか、チャイムが鳴り出す。

「やべっ、次体育なんだった!」

慌て出す木吉くん。帰り際に「じゃあまた明日な」と言って教室を出ていった。そして日向くんが戻ってきた。元気がない私を見て、さっきまでのやり取りを話すと興味なさそうに「へぇー」と答え、授業へと集中しだす。

聞いてきたくせにっ!!

怒りの余り物凄い顔になっていたらしく、目があった伊月くんが苦笑いをしていた。でも、なぜあんなに悲しそうだったんだろうか。と、少し疑問に思う。初試合だから見に来てほしかったのかな?でも別にそれって私じゃなくてもいいよね?あぁ、もしかして試合を見せてマネージャーにさせようって魂胆なんですかね?

まぁ、どっちにしろ、明日も来るのか

「じゃあまた明日」と言っていたのだから、間違いなく彼は来るだろう。てか、マネージャーをOKするまで来るんだろうけど…

でも…


◆早く明日に
(ならないかな、なんて思う自分がいた)

20140529編集

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