始まりは早朝の一通のメール


『今日任務ないでしょー?デートしましょうよー』


別に興味なんてない
これでもデートのお誘いは何回かされた事あるし…
っていうか暗殺者が真っ昼間からデートって可笑しいでしょ




なんて思いながらも来てしまったのはフランに誘われるのが初めてだったから

メイクばっちし
オシャレもした

一緒に出掛ける所を見られたらルッスやどこぞの王子様に何を言われるか分からないから外とで待ち合わせしたのに…



「…来ないなぁ」


待ち合わせから5分経過
フランは時間とかちゃんと守るタイプだから来ないと逆に心配になる


ベルとルッスに見つかったのかな?
それとも報告書か何かの不備でスクアーロにでも捕まった?
それともボスに…


「お待たせしましたー」


色んな考えを頭の中でグチャグチャにしてたら間の抜けた声が聞こえてきた


「フっ、フラン!」
「はいー?」
「どうしたの、遅刻…なんて」

「えっと、二度寝しましたー」
「二…、度寝?」


コクンと頷いたフランの頭にはいつものデカイ蛙はない
その代わりって言ったら可笑しいけどフランの綺麗な翡翠の髪が一束ピョコンと跳ねていた

あ…寝癖

跳ねた髪を指で絡めて直してあげればキョトンとしたような顔をしてからお礼を言われた


「じゃー行きますかー」
「うん」


少し前を歩くフランの斜め後ろ歩きながら空いている手を眺めた

手…繋ぎたいなんて
はずかし過ぎて言えない



微妙な距離を保ったまま遊園地に向かった






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