時刻は午後3時
2人きりの談話室でお茶でも飲もうという話になって今に至るんだけど
俺は今、自分の彼女が甘いものが好きだという事をこれでもかって位思い知らされている
サァァー…
「…おい」
「…」
サァァー…
「…おいっ」
「…」
サァァー…
「…イチカっ」
「あっ、何?」
「お前砂糖入れすぎ」
「へ?」
山だった筈の砂糖はいつの間にか抉れていてその代わりイチカがスプーンで混ぜている紅茶はまだ砂糖が溶けきっていないのかジャリジャリ砂っぽい音がする
「えっ、でもスプーン3杯しかっ」
「それどう見ても砂糖入れるスプーンじゃなくてカレー食うスプーンだろ」
「でもっ」
「しかもそれに山盛り入れてただろーが」
『いつもより少ないもん』
そう言ってショボンと落ち込むイチカ
いや、すげー可愛いけどさ…それ最早紅茶じゃねぇだろ?
イチカの紅茶を奪って一口飲んだらやっぱかなり甘い
そりゃあんだけ入れれば甘いよな
「あんまっ」
「まだ控え目だよ!」
「どこがだしっ」
「まだ3杯っ」
「それは分かったっての」
甘いもんが好きっつーのは聞いてたから出かける先々で甘いモン土産で買ってきたけど
まさかここまでとはな
ってか甘いモンっつーより砂糖が好きだろ?
「よく飲めるな」
「こんなに美味しいのに」
最早甘いお茶と化した哀れな紅茶を美味しそうに飲むイチカ
俺にはちょっと理解不能
甘いモンか…
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