「…」
「…ベル?」
「ん?」
「どうしたの?別に?」


イチカの直ぐ隣に座り直して肩を抱き寄せてやれば不思議そうに首を傾げられる

チュッチユと子供のようなキスを額やら頬やら唇に繰り返すとイチカの顔は見る見るうちに赤くなった


「ししっ、照れてる」
「照れてない!」
「耳まで真っ赤じゃん」
「っ…」


分かりやすっ
可愛いなお前

胸に擦りよってギュッと抱きついたらピクリと俺より一回り小さい体が震えた


「ベル、さっきからどうしたの?」
「どうもしねぇよ?」
「変だって」
「変じゃねぇ」

「ひゃう」
「ししっ、何エロイ声出してんだよ」
「だってベルが!」

「あん?王子がなに?」
「っ…なんでも、ないです」


あーぁ、ホント押し負けるよな
ちょっとキツく言うだけですぐこれだし

イチカの飲みかけだった紅茶を口に含んで唇を重ねる
俺の口内にあった液体をゆっくりと移してやって離れたら案の定イチカの顔はまた真っ赤になっていた


「マジ甘い」
「っ、ベル!」
「あ?」
「こういうのヤダっ」

「いいじゃん別に、付き合ってんだし。それにさ…お前甘党だろ?」



こういう甘いのも好きなんじゃねぇの?



耳元で囁いてやったらイチカの顔が茹で蛸みたいになった


「お前マジで可愛「ベルのバカぁ!」


『可愛い』そう言ってやろうとした瞬間にクッションで顔面を叩かれた


んな事されたら当然王子が黙っていられる筈もなくその後は『甘い』とはかけ離れたモノの投げ合い言い争い


「っテンメ、王子に何すんだよ!」

「煩い!変態発情堕王子!!」

「お前なんかに発情なんてしねぇっての!」

「嘘っ!絶対嘘!!夜とかしつこい位してくるクセに!!」

「それはお前が求めてくっからじゃん」

「求めてなんかないもん!」






やっぱり俺達には甘い雰囲気は合わないらしい





END
......
(テンメっ、さっきはよくも)

(ひゃっ、やだっやだっごめっひぁっ!)

(許さねぇし!)

(くすっ…擽んないでぇ!!)



ししっ、今度砂糖と塩入れ替えてみるか






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