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「ん?イッちゃった?」

目元に舌を這わせると、首まで赤くした篤が陽介から逃れるように顔を背けた。
履いたままのジーンズのフロント部分に触れると、じんわりと湿った熱が手のひらに伝わる。

二人分の荒い息遣いに混じり、ファスナーを下ろすジーッという音が室内に響いた。
「陽介、恥ずかしい、から・・・」
掠れた声で訴えるも、篤の両腕は自身の顔を覆っていて、陽介の侵入を拒む気はないようだ。

カタチだけの拒否に目元を緩ませた陽介は、遠慮もなく濡れた下着ごと篤のジーンズをずり下げ、淫らな下肢を明るい室内に晒す。
震える陰茎と下着の間を繋ぐように、白い糸をひくのがよく見えた。

──同じ男の生理に、どうしてこんなにも身体が熱くなるのか。
ゴクリと唾を嚥下し、放出したばかりの陰部に顔を近づけると、生臭い匂いが鼻腔をくすぐった。

「やらしいね・・・」
下肢からピチャピチャと水音が聞こえるのに、乾いた指しか触れていないことに不信感を覚えた篤が顔を上げる。

「ばっ・・・やだっ、陽介!」

篤の下着についた白濁を、まるで犬のようにペロペロと舌でこそぎとっていた陽介と目が合う。
それまで全く抵抗を見せなかった腕が、陽介の頭を強く押しやるが、快感に力を奪われたそれに陽介は瞳を細めるだけだった。
「篤の一部が俺の身体の一部になるかと思うと、興奮するだろ?」
ニヤリと笑い、口端についた精液を舌を伸ばしてベロリと舐める仕草が、肉食獣を思わせる。
篤の頬は燃えるように火照り、爆ぜたばかりの砲身は羞恥によって再び頭を持ち上げていた。


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