「あの、……みょうじ、さん?」
「えっ、ああはい!」

パッと顔を上げると、緑色のプラスチックで、ヘルメットにカバー?をしている(後で知ったがあれは色付きアイシールドというらしい。名前もそこからきたって言ってた)アイシールド21さんがいた。
パチリ。
目があって、うっすらカバーの奥に見える顔を見ると、なんとまあ先程まもり先輩と話していた主務さんではないか。

「え、しゅ、いや。何ですか?」
「あの……」

彼は口をモゴモゴとさせてグラウンドの方を指差した。
そちらをのろのろと見ると酷くイライラしたようなオーラを放っているヒル魔先輩がいた。
えっ、誰か部員さん達ヘマしたの?
それともドリンクの作り方違った?
兎に角部員に散弾銃を乱射しているヒル魔先輩を止めて欲しいと言われた。ナンデヤネン。
まもり先輩は?と聞くと買い出しに行ってしまった、と。
いやいやいや無理だろ。

「本当すみませんすみませんお願いします」

しかし土下座されそうな勢いで言われてはもう断れまい。

「分かりました、顔をあげて下さい」

そういうと、アイシールド21さん、もとい主務さんは無言で手を握って声が出ないくらい喜んだ。
いや、ヒル魔先輩どんだけよ。
そして、私はヒル魔先輩を宥めるべくベンチから立ったのだった。

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