る
後方にはニヤニヤと笑いながら自分の肩を抱く阿含。前方には阿含を気絶させろと無理を言う武川。
なまえは決めた。
今後この二人に関わらないことを。
なまえは決めた。
ここにいる限り、女を捨てることを。
「いい加減にせえや!!!」
そう怒鳴り、柔道を習っていたなまえは阿含に足をかけ転ばせ、それを踏み越え目の前にいる武川にアッパーを食らわせた。
終わった。確実に女としての何かを失ったなまえは道着を直し、落ちた教科書、ノート共に拾い教室に入っていった。
「クソ、アイツ……」
「ってぇ……あとで職員室に呼び出しだなクソ……」
それを見ていた野次馬は、暫くなまえに近付くことはなかった。
そして、なまえが阿含を張り倒したことは、次の日には校内中に知れ渡っていた。
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