「えっ、同い年……?」
「悪いか」
「悪くはないんやけど、先輩かと思っとった」
「そうか。俺はお前を見たとき中坊かと思った」
「えっ、自分ウチに喧嘩売っとるん?」
「それはこちらも同じだ」

その巨漢、峨王力也の言葉を聞くと、なまえはなんとも言えない顔であー、と気の抜けた声を出した。
そして、なんとなくといったように小さく頭を下げて謝った。峨王はなにも言わずに、物珍しそうな顔をしてなまえを見つめた。
マルコは不安そうな面持ちで、ショートカットの女性、氷室丸子と一緒になってチラチラと峨王となまえの様子を見ている。

「お前は、俺が怖くないのか」
「や、怖いに決まっとるやん」

即答だった。
ズバリと言い切ったなまえ。
峨王は珍しく目を丸くして、ポカンと口を開けた。
そこは嘘でも否定するところだ。
関西の血が流れているからなのか。
コッソリと会話を聞いていた氷室とマルコは頭を抱えた。
少しでも峨王の気に障ったら全身の骨を粉々にされる。
しかも、人よりも小柄で女のなまえだ。
もう二度と歩けなくなるかもしれない。
マルコは悪寒が走るのを感じた。

「……変わってるな」
「アハハ、よう言われるわ」

漸く緩んだ空気に、マルコと氷室は胸を撫で下ろした。
ドッと疲れたが、まだ会ってから三十分も経っていない。
まだまだ、これからだ。

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