阿含が起きると、神龍寺の寮にある硬い煎餅布団ではなく、ふかふかの柔らかいベッドだった。
カーテンから差し込む光に目を細めると、部屋をキョロキョロと見回す。

昨日夜を共にした女はいなかった。
こんなサバサバしている奴は珍しいな、と一瞬思ったが、耳をすませてみるとシャワーを浴びているだけのようだった。 鞄を漁り、あるボトルを手に取った。
なんだ、帰っていてくれてたら楽だったのだが、と阿含はため息を吐き、女がまだいるであろうシャワールームへ足を運んだ。

昨晩は散々だった。
無駄に体力のある奴を選んだためか時間を食ってしまった。これは練習試合間に合わねーな、と阿含はため息を吐き、ドレッドヘアを掻く。
兄の雲水からの催促コールとなまえの怒りを全面に表したメールが携帯電話に殺到し、見事履歴は二人の名前で埋まった。


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