て
ザアザアと雨が降っていた。
なまえの監視役を任された雲水は、珍しく静かななまえの顔を覗き込んだ。なまえは、ただ雲水の部屋の窓から見える雨をぼうっと眺めている。
「大丈夫か?」
「ん?ああ、大丈夫やで」
なまえは一瞬雲水に意識を移したが、また直ぐにさらさらと降る雨を眺め始めた。
「どうした、何かあったのか」
雲水がなまえの肩に手をかけると、なまえは雲水をじっと見つめる。すぐになまえはニッと笑うと、雲水の頭をポンポンと軽く叩いた。
「雲水は今日心配性やなあ。雨やからかな」
なまえは普段よりゆっくりとした口調で言った。
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