俺はクラスで、いわゆる人気者というものになった。
俺が外に行けば四、五人は誰かがついてくる。
俺が教室でうだうだと暇を持て余していると女が寄る。
行事やテスト前になると俺の周りに人がくる。
けれど、何かが違った。
胸に残ったモヤモヤを晴らすために、裏で暴れまわっても何かが足りなくて、ただ、喧嘩に明け暮れていた。
暴れている途中、金髪の男に会った。
男と利用し合う仲になったのも、その何かを埋めるためだったのかもしれない。
学校には一応行った。
行けば何かが変わると思ったのだ。
けれど実際に何かが変わることはなかった。
いつからこうなったのか、どうしてこうなったのか、謎は募るばかりで解決へは進まない。
ああ、怠いなあなんて思いながら学校に登校する。
その途中、アイツがいた。
それを見ると俺は、バン、と勢いよくアイツの背中を叩く。

「よー、今日もはえーな。いいんちょー」
「いった!!もういいんちょーは止めろよー」
「やーだねー」
「くっ、金剛は素直じゃないな!」

舌を出すとアイツはほおを膨らまして拗ねる。
嘘、と言うとまたアイツは怒ったように俺を軽く叩いた。
俺が小走りで逃げながら笑うと、アイツもクスクス笑いながら追いかけてくる。
そんなくだらないことをしていると、いつもの物足りなさも、その物足りなさを埋めるための考えも、俺は全て忘れていた。
ニッと快活に笑ったアイツの頭をぐりぐりと押すと、身長縮む!!と下から奇声があがった。



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