街中をぶらぶら歩いていると、ふとみょうじが俺を穴が空くほど見つめてくる。
うざったいその視線に、なんだと聞いてみるとみょうじは、ぐっと距離を詰めてきて、俺の髪を触った。

「これ、染め直さないと。ちょっと黒くなってるし、髪の毛長いから切らないと、邪魔でしょ。むすぶ?」
「おー、じゃあ美容院にでも行くか 」
「えっ」

驚いた顔をして、みょうじは俺の髪に触れる手を離す。
その手を掴み、ぐいぐいと引っ張りながら、近くの美容院に入って行った。
自動ドアを潜ると、生温い風が頬を掠める。
勢いよくみょうじを引っ張ると、ぐらりとバランスを崩す。

「金剛、これがいいんじゃない?」
「あ?あー、ドレッドか。手入れ大変じゃなかったか」

そう言うと、そっか、似合うと思ったんだけど、とみょうじは肩を落とした。
まあ、少しぐらい手間かかったっていいか。
じゃあこれにすっか、と言って美容師を呼んだ。
美容師がニコニコと業務的な笑顔を浮かべて寄ってくる。
みょうじは横で、少し嬉しそうに笑った。

「楽しみだね、きっと似合う」
「はっ、俺ならなんでも似合うんだよ」
「アフロも?」
「あー……おう」



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