「それで、今日みんながこんなにも忙しそうなのはなんでなのです?」
「……変態が、くるんだよ…!今日はな!」

ギリっと音を立てながら歯を噛み締める蘭丸。会ってからここまで嫌そうな表情ははじめてなので、すごくすごく見つめてしまいます。それにしても蘭丸が嫌がるヘンタイさんですか?


「それは妹が大好きだったり、いたいけ?な女の子のスカート、じゃなくてええっと……着物の下?をのぞいたり、自分よりかなり年の離れた女の子にちゅうせいをちかって、足の指をしゃぶらせてもったりイスになったり、女の子しか殺さずにその腸を体に巻きつけるような人たちみたいな奴なのですか?」
「違うっ!!断じて違うからな!いや、違わないしあいつを庇いたくないけど、そんな奴らが蘭丸の周りにいるって思われるのは嫌だし!なんでそんな激しい変態ばっかり知ってるんだよ!?」
「むう…お気に召しませんでしたか。じゃあ女の子の体なのに、上はこんなふうに前があいている服一枚で出歩くおにーちゃんとかはどーですか?」

手でジェスチャーして蘭丸に伝えると、蘭丸は顔を真っ赤にして「もう腹一杯だから、いい。話すなよ、いいな。とりあえず見ればわかるから!」と疲れた顔をしています。魔王の子とか呼ばれてるくせに情けないですよ!信長さまだったらそんな彼らも、器のでっかさで受け入れてしまいそうなのに。だってれむの、お父さまですからね!きちょうちゃんがお母さまですから、その旦那様の信長さまはお父さまに決まりなのです!だから蘭丸とれむはきょーだいなんですよ。れむがお姉ちゃん!と言ったら蘭丸が兄だと主張されました。れむのほうが絶対絶対頼りがいがあるっていうのに、わかっていませんね、蘭丸は。

叫びたい気持ちもわかるんですけどね、いまの時代じゃあありえませんからね、みなさん。といってもれむも実際見たことはありません。少女趣味なんて会ったら、死んでしまいます。れむはけっこう強いですが、ただの匂宮。秘蔵っ子でも成功作でも《経験》という差がありますから。だからいずおにーちゃんにも、《断片集》にもそう言った意味では負けます。いいんです、それで。だってれむはまだまだ子ども!これから未来があるのです。おねえちゃん先生から零崎の三天王とか悪い狐さんのお話を聞いてお勉強しているんですよ。
と、そういえば。隣に歩く蘭丸をじっと見つめます。「な、なんだよ!?」と蘭丸に言われましたがとりあえずは無視、悪く言うとシカトです。蘭丸はれむと同じくらいの年ですが、強いのでしょうか?いつも持っている弓は見たところ手入れもしっかりされていますが…蘭丸が戦っているところをれむは見たことがありません。だって最初のときはけっきょく戦わなかったのですよ、そのあとれむはお城にこもりっきりです!なにもしていません!蘭丸は戦に連れて行ってもらえたようですが、れむは危ないからと止められています。だから蘭丸の戦っているところを見たことがありません。れむと蘭丸、どちらが強いのでしょうか。いつか戦ってわかるんですかねえ。


「……楽しみです、」
「は?変態が?れむ、おかしくなったわけ?」
「違いますよーだっ!かんちがいは止めてください、もう!蘭丸をいつかボコボコにするのが楽しみだって言ったんですよ!!」
「えええ!?いきなり人の顔を見つめてきたと思ったらそんなこと考えてたのかよっ!?…………ちくしょー変な期待もたせんなよ……」
「え?最後になんて言ったんです?」
「なんでもないし!」
「そうですか?あ、まさかさっきれむが蘭丸を好きな目で見たと思ったとか?!」
「んなわけないじゃん。大丈夫か、お前?」
「!! ゆ、夢も見せないとは…!もうすぐ思春期のれむにはダメージ大です。もう……!」
「え?」
「なんでもありませーん」
「…まあいいや。変態がいるのはここだよ。あいさつしとけって、信長さまが」
「まかせておくですよ」


さあて、ドキドキしてきました!





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