ちゅーってあまぁい

 

帰ってきたらチカを構う、

それが当たり前だったのに今日は違った

「だだいま」

と玄関の鍵を閉めて家に入るのはいつもと同じ
チカが擦り付いてくるのもいつもと同じ
違うこと?
それはチカを無視して自分の書斎に入ったこと
簡単に言うと残業だ、飼い猫が可愛そうだから家でやらせてくれと上司に言いつけて残業背負って帰ってきた
一秒でも早く終わらせてチカを構いたい一心で仕方なかった
だから、チカを無視して書斎に入った

「…にゃぁー…」

ドア越しに聞こえる甘えた声とドアを軽くひっかく音

「…にゃぁ…まさ、むね」

次第にひっかく音を無くし甘えた声が悲しい声に変わる
書斎にはチカは入らない、俺がそのように躾た
ここは仕事をする場所であってチカと遊ぶ場所じゃないと教えた、
から、チカは入らない

「………」

てててて…

少し静かになってリビングの方へ足音が消えた
ごめんな、チカ
と一言言って残業に集中した

「ふぁあ…」

その一時間後には残業は終わった
さぁご飯…の前にチカを構いたいとチカを探す
がリビングには見当たらない
寝室に行くとこんもり盛り上がった布団

「まさ、むねは、おしごと…してるの!
ち、ちかがさびしい…からってあそんじゃ、らめなのぉ…」

ズビズビと鼻を啜る音と泣き声にきゅうっと胸が締め付けられる

「わがまま、いっちゃ、らめなのぉ…」

「チカ…」

思わず布団を剥ぎ取ってチカを見やった

「…ぁ、まさ、」

「悪かった、」

チカは目を見開いた

「いくら早く残業終わらせたいと思っても無視はだめ…だよな、ごめんな」

とベットに座るチカの涙を拭っていろんな所にキスを落とす
鼻、額、頬、耳…そして唇
ちゅっと可愛らしい音を立てて唇を離すと顔を真っ赤にしたチカが政宗をまっすぐ見ていた

「Ah…なるべく残業はしねぇようにするからよ……チカ?」

まだ政宗をまっすぐ見つめるチカに問いかけると

「…もっかいちゅってやって」

と口を尖らせてキスのおねだり

「…しょうがねぇなぁ…」

ちゅっ

仕方なくキスしてやるとチカは

「ちか、まさむねすき…」

と今度はチカからのキスをもらった


ちゅーってあまぁい
(まさむねーちゅー!)
(Ahーはいはいちゅー)


------------------
ただちゅっちゅするのが好きなねこちか
口尖らせてキスのおねだり…
可愛いですよね

(091112)


[ 7/16 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -