(*)それは甘く、 (鮫山?)

注意:雨の守護者部屋とはまた違う設定の二人です。
   なんとなく「月だけがみていた」の続編ちっくなR18なので閲覧注意。


◇ ◇ ◇

「俺からてめーが盗んでったんだぁ。てめーから取り返して何が悪い?」

そう言い放つとスクアーロは悪い顔で楽しげに笑いながら覆い被さってきた。
俺の顔の横に銀のカーテンが降りてくる。蒼く光るそれは月灯りから俺達を隠してるみたいだ。
互いに眼を開けたまま視線を外さず唇を重ねる。薄く、意外に柔らかい感触は気持ち良い。重なったまま笑んだのが判った。

「悪くないけど。でも俺がアンタから何を盗んでった?」
肘を押さえつけられ動きを封じられつつもこの状況は悪くない。だが気になった事はハッキリさせておかねば。特にこのヒトの行動には。
そこにはストレートに伝えられない想いが隠されていたりするのだから。
年上の矜持からなのか、只の悪戯心からか。はたまたお互いの立場を慮ってからのものなのか。
それでも其処には確かに思い遣りを感じているからこそ間違わないよう汲み取りたいのだ。

「さぁ?なんだろうなぁ?」
そう囁くと舌が滑り込んでくる。微かにアルコールとピートで燻された独特な風味が一緒に味蕾を刺激していった。
歯列をなぞられたら下唇を柔らかく吸い上げるように食むとリップ音を残して離れていった。

「覚えてねーのが気にくわねーが戴く事には変わりねぇ」
くつくつと喉の奥で笑う人は妙に機嫌が良い。腕の動きを器用に封じながら口付けは続く。
さらさらと滑り落ちてくる髪がくすぐったい。滅多にしないシャンプーの香りに鼓動が跳ねる。

「なあ?ホント俺が何かしたのか?」

動揺を悟られまいと質問してみるものの銀のカーテンは上がらない。
絡んだ目は実に楽しそうだ。それを見たらもう、どうでも良くなって身体の力が抜いてみた。
「いいコだぁ。思い出すまでオトナシクしとけやぁ」

右手の指先部分を口の中に突っ込まれたんで舌で押し出すと、悪戯な笑みの人が歯をカチカチ鳴らしてみせる。
噛めって事か?
手袋の先を軽く噛むと「正解」と笑いながら手を引き抜いた。生身の手に撫でられた頬からぞわりと何かが走った。
ひゅっと息を飲むと俺の様子に満足気に笑った人は乱れたシャツの裾からその生身の手を差し込んできた。

体温のある右手が脇腹を這い、その身体を支えていた左手は俺を包むように抱き締めてきた。夢のようだ。
髪がさらりと動き俺の耳朶をわざと音を立てて舌を這わせてくる。耳の後ろを軽く吸われ、どくんと身体の芯に熱が灯った。
ほう、と息を吐き出すとスラックスの上から中心をやわやわと刺激され思わず腰を揺らしてしまった。
「おや?オトナシクしとくんじゃないのかぁ?」クスクス楽しそうにベルトを引き抜いた。


ドクドクと脈打つカタマリを薄く柔らかい舌が舐め上げ、熱い息がかかってくる。
シャツのボタンは外され腕で辛うじて引っ掛かっている。デニムは膝まで引き降ろされた。
太腿に掛かる長い髪が擽ったい。そしてあの白い指が俺のを握り、舌が這う光景に頭がチカチカする。
「も、いいから、すくあーろの触らせて?」快感に霞む頭で懇願するも脚の間の人は意地悪く笑うだけだった。
裏を舐めあげてくる舌が熱い。身体の芯が熱い。恥ずかしいのに俺を咥えながらも視線を外さない銀の瞳に更に脳髄が熱くなる。


「も、ヤバいから!口離してヤバいから!!」
力が抜けた腕でア脚の間の頭を押し退けようとしたら更に追い上げられる。
上がる息を止められない。揺れる腰を止められない。

頭がハレーション起こしてチカチカしている目蓋を押し上げたらその光景に息を飲んだ。

スクアーロの口元からシャツの胸元まで己れの白いモノが飛び散ってたら誰だって心臓止まりそうになると思う。
「う、わ!ゴメン!うわ髪にまで!」
軽くパニックな俺をチラリと見るとその口角を上げベッドの上に片膝立て髪をかき上げた。

「自分だけ先に、かぁ?」
わざとゆっくり左手でシャツのボタンを外していく。シロイモノがついたままのシロイハダ。
肩から滑り落としたシャツの音がやけに大きく聞こえた。細くもしなやかな筋肉に覆われた胸。
手袋をつけたままの左手が鳩尾から臍の辺りまでゆるりと這ってから濡れたままの右手が手招きをした。
頭の芯が痺れたまんま。その右手を口に含み青臭さにしまった俺のだと後悔しつつもスクアーロのベルトを引き抜いた。

「ゴメンって。気持ちヨクするから許して?」前を寛げれば既に熱くなってるのが嬉しい。
左手の軌跡を追うように唇で辿ればクククと楽しそうに笑う人がいる。その熱い中心を取り出せば髪を撫でられた。
さっきのお返しとばかりに見上げながら口に含めば硬度を増したのが嬉しい。出来るだけ丁寧に舐め上げよう。
勿論、俺のもだけどソレは咥内に収まりきれるワケなく根元は指で刺激している。どんどん熱くなるのが指と舌に伝わる。
舌を括れに這わせば息を飲む気配が判って更に追い上げようとしたら髪を掻き回されながらこう言われた。
「で、思い出したかぁ?」

ほぇ、と思わず声を出しながら見上げれば(間抜けな声なのは咥えてたから!)頬を抓られた。
「思い出せねぇならオシオキ決定だなぁ?」
だから何を、と問い返そうとした俺の咥内を熱のカタマリが突いてきた。
思わずエズいて身体を丸くすれば背中に覆い被さり転がされた。ケホケホと噎せれば宥めるように背中にキスが降りてくる。
「歯を立てなかったのはイイコだぁ」 笑いながら後ろから伸びてきた指は既に硬さを取り戻した俺の中心を握る。
脊髄を走る快感に仰け反れば尻の間に冷たいモノを感じた。「!?スクアーロ!?」
後孔にジェルを垂らされ義手の指が挿入されたのだ。ゆるりと動く異物感に鳥肌が立つ。
思わず身体を捻ろうとすれば握られた前と耳朶に痛みが走る。「力、抜け」耳に直接吹き込まれた声は雄の気配がした。
萎えた中心の先を弄られ仰け反れば拡げられる後孔の指が増やされる。意味を成さない声と荒い息。
くちくちと粘着質な音が自分にされてる事が現実だと知らしめた。異物感が段々腰の奥に何かを篭らせた。
何かが足りない。自分の中心をスクアーロに擦り付ければ腰が揺れ、奥が熱くなってきた。
すると腿の付け根から尻を熱いカタマリが掠めていく。ああ、スクアーロが興奮してるんだ。
そう判ったら、もうとにかく繋がりたくて仕方なくなった。まるで熱に魘されるみたいに込み上げてきた。あの時みたいに。

「す、くあーろ」
無理矢理捻って振り返り舌を差し出せば貪るように口腔に引き込まれた。絡みあう舌が気持ちイイ。
気がつけば向かい合うように抱き合っていた。指が引き抜かれた後孔がひどく疼く。
膝にたまっていたデニムは取り去られ互いの熱のカタマリを擦りつけあっていた。
「ヤマモト」銀の瞳に欲情が灯っている。他の誰でもなくあのスクアーロが俺に欲情している。
蕩けた思考ではハッキリ見えないが多分あの瞳の中の俺も同じ眼をしているんだろう。
そう思ったら今度は俺でいいか、とやけに冷静な部分の俺が膝を開いた。

「アンタが言って、たのはこういうことなのな?」前の春、俺はこのヒトのナカの熱さを教えてもらったんだ。
「・・・後ろは俺もハジメテだったしな」お前のを貰って何が悪い?と荒い息で問う人は何て言うか色っぽい、と思った。
「こういうコトはスクアーロ相手ならどっちでもいいんだ俺」そう笑えば。
目を見開いたスクアーロはニヤリと笑うと腰を抱え、挿入ってきた。冷たい色の人なのに燃えるような熱いカタマリだった。

身体を引き裂かれるような痛みの中、パサパサッと髪が肌を掠めるのすら背筋に何かを走らせた。
魘言のように名を呼べば呼び返され抱き上げられ声を上げてしまった。自重で深く差し込まれた楔が熱い。
「てめーン中最高っ」グッグッと抉られる楔はもう、痛いのか熱いのか判らなく痺れるような感覚になっていた。
只、俺もスクアーロの荒い息に興奮してきて後頭部を抱えるようにして舌を絡めあった。
突き上げられる腰と昂ぶったその表情に突っ込まれてるのに抱いてるような気分になる。
低い唸り声と同時に腹の中にアツイ何かが広がり強く抱き締められた。ほう、と色っぽい声で宥めるようなキスをくれたとき。
まだ俺のナカにいたスクアーロも動いて角度がずれると脊髄に電流が走った。
思わずあげた声に自分で驚いていると「あーお前はまだだったなぁ」と硬さを取り戻した(!)人に散々ソコを抉られた。
あまりの快感に早々に出してしまった俺の締め付けでスクアーロもイったらしい。強烈すぎて覚えてないけど。



* * *

「・・もと?起きてる?山本ー」
「あんなヤツ放っておいていいッスよ十代目!飯行きましょう!」

遠くで俺を呼ぶ声がする。ああ、ツナと獄寺か。
「踏み込まれそーだがどーすっかぁ?」 その声で一気に覚醒した。そうだ此処はイタリアだ。
上半身を起こしクスクスと笑う人は何も着ていなかった。勿論てゆーか俺も素っ裸のまんまだ。
昨夜はあれから余韻を楽しむ風情もなく後処理をされ共にシャワーを浴びたんだった。

「あー・・」 起きようとして腰の重ダルさに沈んだ俺に飲みかけの炭酸水を渡される。うまい。
寝室のドアの向こうではまだ気配がする。隣では明らかに状況を面白がってる悪いオトナがいる。
「ダメだよ獄寺くん。その扉は開けちゃいけない気がする」 大真面目なツナの声に思わず二人で吹きだした。
「起きてんじゃねーか!こら野球バカ!十代目を待た・・・」

どーん!と音がしそうな勢いでドアを開けた獄寺はそのまま固まってしまった。
そりゃそーだろうな。俺は枕抱えてうつ伏せで転がってるし、裸のスクアーロはいるし。
どうしたの?と獄寺の後ろから覗き込んできたツナは顔真っ赤にして叫んだ「山本がオトナの階段登っちゃったよ!!」

「去年の春には登ってたぜぇ?今年は俺が頂いたけどなぁ?」
その声で我に返った獄寺が花火取り出してツナに殴られて。その拍子に床に散らばってた服が焦げたりで大騒ぎだった。


閉め忘れたカーテンの隙間から蒼い空とまだ沈んでいない月がその様子を見ていた。



『君が盗んだわたしの一夜 君を盗んでとりもどす』   (作者不詳)



◇ ◇ ◇

都々逸部屋の「月だけがみていた」と同じ設定で。
鮫さんもオトナの男で雄で朝のはきっと確信犯。

せんぬま様のブログの素敵画を拝見して滾ったらこうなった私の脳はどうなってるんでしょう・・・。

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