＊

「んっ、ちょ、待ってくださ…ふぁ、まだ…」
「はぁ…っ、いいだろ、誰も見てないんだから、んっ」

結局、こうなるのである。

「ふ、はぁ…っあ、んん！」

亮一さんの部屋に連れ込まれ、玄関先でめちゃくちゃに口付けられた。

背の高い彼に合わせるため、必死で背伸びをする。首が痛い。ぷるぷるする。

「りょ、いちさん…っせめて、ベッド、行きませんか…？」
「あぁ…分かった」
「ひゃあ！お、おおお下ろしてください！」

何故、何故お姫様抱っこなんですか。そりゃ僕は亮一さんより背が低いしひょろひょろもやしですけども！

「律君、可愛い。お姫様みたい」
「嬉しくないです！僕は男です！」
「知ってるよ」
「んっ」

ベッド転がされながらキス。相変わらず上手い。すぐにへろへろになってしまった。

こんなんじゃ駄目なのに。とろけ落ちそうな思考を必死に引き戻す。そしてベッドの上で正座。

今日は、今日は、

「今日は、僕が亮一さんを抱くんですっ」
「えっ」
「今までリードされてばっかりだったけど、今日は僕が主導権を握ります」
「そ、それは、構わないけど…」
「だから…その、い、いっぱい、いっぱい、愛させてください」

亮一さんの顔が真っ赤になった。同じように正座をして、しどろもどろで呟く。

「はい。あ、愛して、ください」

かっ…！か、可愛いのは、亮一さんじゃないですか！

僕よりもずっとイケメンで、身長だって高くて。そんな男の人がこんなに可愛いなんて。

それも、僕の前だけで。

「うわっ」

気がつけば僕は、彼を押し倒していた。

「あっ…ん、く…」

首筋を舐めると、くすぐったそうに身を捩る。そのまま子猫のようにちろちろ舌を這わせつつ、服を脱がしにかかった。

「な、んか…っ、すごく、緊張する…」
「どうしてですか？」
「いつもの律君じゃないみたいだ…」
「結構頑張ってるんでそんなこと言わないでください」
「んふっ、俺はどんな律君でも好きだぞ、ふ、ぁあっ」

露わになった上半身。うっすらと筋肉のついた綺麗な胸に、不釣り合いなほど赤く浮かぶ二つの飾り。まるで果実のように美味しそうで、ぴとりと唇を押し当てる。

「あっ、ん、ひ…っ、う！は、んん…っ」
「ん、」
「あ゛っ、いっ、強…」

強く吸ってみたり。

「やっああぁっ！」

軽く甘噛みしてみたり。

「可愛い。亮一さん」

僕の一挙一動に反応して乱れる姿が、たまらなく愛おしかった。もっと、もっと彼のいやらしいところをみたい。そのためにはどうすればいいだろう。

数少ない性的知識を引っ張り出して悩んでいると、亮一さんが何か言いたげな表情で見つめてくる。

「どうしたんですか？」
「…俺も、律君に触りたい」
「え」
「シックスナインでどうだろうか」

どうだろうか、じゃないですよもう。そんな期待のこもった視線を向けられてしまっては、拒否なんてできるわけがない。

「…まぁ、いいですけど…」
「知ってるのか！」
「一応は」
「シックスナインを知ってるのに何故ローターを知らないんだ…」
「うるさいです！」

そんなことは今どうだっていいじゃないですか。

くるりと身体の向きを入れ替える。僕が下。亮一さんが上。

彼の下半身が眼前に晒されて、その性器がズボンを窮屈そうに押し上げているのが分かった。僕もこうして近くで見られているのだと思うと、すごくすごく恥ずかしい。

「律君、俺で興奮した？勃ってる」
「や…言わないでください」
「可愛い」

羞恥を少しでも和らげるため、彼のモノに集中することにする。

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