僕の秘密と君の罠 | ナノ


▼ 06

ちゅぽん、と音を立ててペニスを引き抜くと、彼は少し苦しそうな表情をしながら精液を全て飲み干す。

「ん…もう、大丈夫ですよ。僕が治してあげましたから」

へらりと柔らかい笑みを零し、胸にすり寄ってくる。卑猥だ。卑猥すぎる。なんだこの可愛い看護婦さんは。

普段の律君もこんな風に素直だったらいいのに、と思ったが、これがデフォルトの状態だったら俺は欲情しっぱなしだろう。それはそれで困る。

「っう、ん」

彼の顔を上向きにして、てらてら光るその唇にキスを落とした。痛いくらいに肩を掴まれるがそんなことはどうだっていい。

「律君、律君…かわいい。好きだ」
「りょーいちさん…」
「俺のこと、どう思ってる…っ?」

ずるいとは分かっている。少なくとも素面ではなく、酔っぱらった彼に聞くことではない。でも聞かずにはいられなかった。

一目惚れして、騙したあげく襲って、それからずっとずるずる彼のことをこんな風に縛りつけているくせに、好かれているはずなんかない。むしろ嫌われているはずだ。

「…」
「…律君?」

俺の胸に額を擦りつけ、何も言わなくなってしまう律君。やっぱり言いたくないよなこんなこと。

「ごめん、今のは忘れ…」

ふと見下ろして気が付いた。

あれ。なんか、律君、

「照れてる…?」

白いうなじがほんのりとピンク色に染まっている。耳に至っては真っ赤だ。

「やっ」
「え、ちょっと、本当に照れてるのか?」
「もぉ、言わないでくださ…」

ますます俯いてしまう。ぎゅっとシャツを掴むその手の先まで紅色に染められているような気がして、俺は頬が緩むのを抑えきれなかった。

「俺のこと好き?」
「…」
「じゃあ、嫌い?」
「嫌いじゃないっ」

成程。そうか。それならいい。今は俺自身を好きって言ってもらえなくても、例え行為の気持ちよさに溺れるのみであったとしても、それは決してマイナスではないから。

嫌いじゃない。その言葉がどんなに俺にとって嬉しいことか、君には分からないんだろうな。

「ふ、あ」
「…」
「んんんッ!?」

優しいキスを繰り返しながら、ゆるく勃ちあがったままの彼の性器を掴む。下着の上から手のひらを押し付けるように動かした。

「んっ、んんっ、んんん!」

暫くそれを続けていると、布地に染みてくる彼の先走り。自分から腰を動かしているせいで、こちらが何もしなくてもぐちぐちと淫猥な音がする。

「…は、ぁ、やっやっ、あァッ」
「腰、動いてる」
「んん…ちがうんです、これはっ」
「淫乱な看護婦さんだな」
「やぁっ、淫乱なんかじゃ…」
「どうされたい?今度は俺が気持ちよくしてあげる」

潤んだ瞳がこっちを見た。もっともっと、と快感を貪欲に求めようとしているのが読み取れる。最高だよ、律君。最高に可愛い。

「ちょくせつ、ちょくせつさわってぇ」
「じゃあ自分でパンツ脱いで」
「ん、ん…」

言われた通りに下着を取り去る彼。肉のついていない白い太ももに指を這わせれば、ふるふると身体を震わせた。

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