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▼ 01

「おいで」

忠太がそう言うのが、おやすみの合図だ。

俺はそれを聞いてから彼の布団に潜り込む。どんなに暑い日でもお互いべったりくっついて離れない。

「タマ」
「ん?」
「今日おばあちゃんから電話あったよ」
「なんて?」
「巴くん、通院しながら今度近くの小学校に保健室登校始めるって」
「…そか。良かった」
「お母さんの方も、今は大分落ち着いてる様子だって。いつまた前みたいになるかはわからないけど」
「うん」

布団の中では、いつもとりとめのない話をする。俺の学校の話。忠太の仕事の話。それから、家族の話。

たくさんたくさん話すことで、ゆっくりとお互いを知っていった。今では忠太のことで知らないことなんてないのかもしれない、と思うくらいだ。

「またまとまった休みあったら二人で行こうな」
「いいの?」
「いいよ。っていうか行かなきゃ駄目だ。皆タマに会えるの楽しみにしてるだろ」
「そうかな」
「そうだよ。普段俺がタマのこと独り占めしてるから」
「…もっといっぱい独り占めしていいのに」

俺は忠太の脚に自らの脚を絡ませ、ぎゅっと抱きついた。

「ん…」

忠太は何も言わず、優しく口付けてくれる。触れ合わせるだけのキスじゃ物足りなくなって、そっと舌を差し出してみた。忠太は口を開けてそれを招き入れてくれる。

「ん、ん…っ、んっ」

口の中で互いの舌を絡ませて、吸って、噛んで、どんどんと熱が溜まっていく。微かに漏れる俺の声は、恥ずかしくなるくらいにとろけてしまっていた。

「あ…」

忠太は俺の身体を組み敷くと、一旦唇を離した。つ、と涎が伝う。

「…明日学校だろ?」
「うん…」

忠太は俺を興奮したように見つめていた。男の人の顔だ。心臓がどきどき音を立てて、苦しくなる。

「…優しくしないで、激しくして」

するりと手を首筋に滑らせてみると、指先に触れる忠太の肌も俺と同じように熱を帯びていた。

忠太は何も言わず、その代わりに一度だけ口付けてくれる。

「んっ…」

服をたくし上げられ、露出した肌に忠太の唇が触れた。胸、あばらの辺り、おなか、へそ、下腹…と徐々に吸いつかれる位置が下がっていく。

「忠、太…」
「ん?」
「なんか、喋って…」
「…ん」
「あ…っ!!」

ズボンの上から少し硬くなった性器を手で押され、俺はびくっと背中を反らした。

「脱がすぞ」
「ん…うん…」

暗闇の中とはいえ、月明かりのおかげで互いの身体ぐらいははっきりと認識できる。全部見られてしまうことに恥ずかしさを感じないわけではない。でも俺はもう、全てを彼に明け渡してしまう気持ちよさを知っている。

「…ここ、痕つけていい?」

剥き出しになった太ももの内側。下半身に顔を埋めた忠太は、ちゅうっとそこに吸い付いた。

「あ…っ、俺、いいって、言ってない…のに」
「だめなの?」
「んんっ、ちが…」
「いっぱいするよ」
「う…んっ、いっぱい、して」

強く肌を吸って鬱血させ、そこに歯を立て、最後にいたわるように舐める。それを両足、何度も繰り返されて、俺の性器は触れられてもいないのにぱんぱんに張り詰めていった。

「あ…っ、ん、はぁ…はぁ…っ、忠太、ちゅ、た…」
「すごい反応」
「あう…っ!!」

つつ、と彼の指がペニスの裏を擽る。腹につくほど勃起したそれは、たらたらと汁を零して悦んだ。

「まだ全然、何もしてないのに」

忠太は小さく息を吐くように笑う。

「俺に触られるの、そんなに気持ちいい?」

濡れそぼったペニスをそのまま片手で包み込まれ、ゆっくり扱かれた。ぬる、ぬる、と指が絡みついて滑る感覚に、勝手に腰が揺れる。

「き、もちい…っ」

こみ上げてくる射精感を必死で堪えるため、後ろ手に枕を握りしめた。はぁはぁと息が荒くなって、ひっきりなしに甘く淫らな声が漏れる。

「あっ、あ、んんっ、はぁ…っ、忠太、ちゅうた、指、気持ちいいよぉ…っ」
「指だけ?」

忠太の口がその先端を捉え、唇で挟むように刺激しながら奥まで咥えこんだ。生暖かく湿ったものに包まれて、快感でわけがわからなくなる。

「ん、ぐ…」
「あ…っ、あっ、あ…!!」

さらに舌で弱いところを抉られ、俺は忠太の頭を押さえつけ、びくびくと背を仰け反らせた。

「あぁぁ…っだめ、だめぇ、くち、いっちゃう、いくぅっ、ちゅうたぁ…〜〜ッ」

大量の精が尿道を通ってその口へ吐きされていく。

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