「ゴエモンさーん!」 野原で寝転び、体を伸ばしていたゴエモン。 そこへ、おみつが走ってやって来た。 「おみっちゃん、どうしたんでぃ?」 起き上がって、ゴエモンはおみつに聞く。 「これ、見て」 そう言っておみつが出したのは、四つ葉のクローバーだった。 「四つ葉のクローバーじゃねぇか!よかったな、おみっちゃん」 「うん」 にっこりと笑っておみつはそう言い、続ける。 「これ、ゴエモンさんにあげる」 「え、どうしてでぃ?それはおみっちゃんが見つけた物だろ?」 「うん、そうなんだけど、四つ葉のクローバーって幸せが来るって言うでしょ? ゴエモンさんに、幸せが来てほしいなって思って…」 「おみっちゃん…でもそれは見つけた人にだろ?」 ゴエモンにそう言われ、おみつは頬をほんのりと赤くして言葉を口にした。 「私には、もう幸せが来てるから…」 「そうなのか?」 「うん。…今こうして、ゴエモンさんといる事が出来てるから」 「え…!?」 その言葉を聞いて、ゴエモンの顔は真っ赤になった。 「お、おみっちゃん…おいらにも、し、幸せは来てるぜ…!?」 「え…そうなの?」 「お、おう!!」 驚き、嬉しさ、そして緊張のせいか上手く話せない。 一息ついて心を落ち着かせ、ゴエモンは続けた。 「おいらも…おみっちゃんといられる事が幸せだぜ」 「ゴエモンさん……ありがとう」 おみつはそう言って笑顔を見せ、つられてゴエモンも笑顔を見せた。 四つ葉のクローバーは、二人に幸せを与えたようだった。 |