大きな木の下で

大きな木がある出雲大社。
サスケさんと私は、木の下に二人して座っていた。

「ここは…拙者が電池をいれてもらった所でゴザったな」
「…うん、そうね」

出雲大社は…ここは好きなんだけれど。
ここに来るまで、サスケさんが動かなかった事を思い出してしまう。

「…ヤエ殿?」

サスケさんの声にハッとして。
慌ててサスケさんに返事をする。

「え?何かしら?」
「大丈夫でゴザルか?何だかぼーっとしていたようでゴザルが…」
「あ…うん、大丈夫よ」

少し間を開けて、私は言葉を続けた。

「今は…サスケさんがこうして動いて、話をしてくれているから」

そう言ってサスケさんをぎゅって抱き締めて。

「ヤ、ヤエ殿…!?」

からくりである筈の彼の顔は赤くなって。
驚いて、目を点にして
私がとても小さな声で「寂しかった」って言ったら、サスケさんは私を抱き締めてくれた。

このまま離さないでほしいと思った事は、サスケさんには内緒。

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