on May 5th
今日は5月5日。ボンゴレ雲の守護者、雲雀恭弥さんのお誕生日です。
そこでバースデーパーティーを"極秘"で開く事になったのですが…。
「沢田さんっ」
「何?」
「こ、これの何処が"極秘"何ですかぁー!?」
会場を埋め尽くさんばかりの人、人、人!人の群です!!!群れる事を尤も嫌う今日の主役が見たら大変な事になりそうだι
「言って置くけど、此処に居る連中は俺が呼んだ訳じゃないからな」
「へ?じゃあ…」
「勝手に集まった」
嗚呼、成る程。勝手に…。…私は辺りを見回す。この人数が、勝手に?
「まあ、相手は雲雀さんだからな…。あの人、性格は兎も角、顔の良さはトップクラスだし、おまけにボンゴレ(うち)の守護者ときたら、お近づきになりたい…と思ってる女の人も多いんだよ」
「……嗚呼〜…」
それは頷けるな。雲雀さんなら憧れてる人も多いだろうし、こんな機会でも無い限りお話も出来なさそうだもんね。
…あれ?そう考えると普段からお話が出来る私って、幸せ者なのかな?
不意に雲雀さんの顔が頭に浮かんだ。それから周りでプレゼントを抱えて頬を染める女の人達に視線を戻して、思う。
「やっぱり幸せ、かな」
もし私があの人達の立場だったら、羨ましいと思う。絶対…。そして疎ましくも感じる。大好きな人に一番近い女の人何て、許せないから。
「そう言えば、雲雀さんの姿が見えないけど」
「ぁ」
その時、沢田さんに言われて初めて気付いた。主役不在のパーティー何て聞いた事がない。
「私、探して来ます!」
私はパーティー会場を飛び出した。雲雀さんが居るであろう、その場所を目指して―…。
≪雲雀side≫
ふわふわと優しい風が通り抜ける。天気も良く、屋上で寝るには最適だ。
暫く瞳を閉じていた雲雀だったが、いつの間にか眠っていたらしい。
ふと誰かの声で目が覚める。全てを包み込むような優しい…歌声?
(…純粋で、真っ白な、この歌声は―…)
「あ、おはようございます、雲雀さん」
彼女しか居ない。
雲雀はゆっくりと目を開けた。傍らにはヒバードを肩に乗せ、穏やかに微笑む名前の姿…。
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