on Aug.26th
夏の朝は早い。
早朝6時だというのに辺りは明るく、日の光が降り注いでいる。普段の私ならこの時間に起床予定。だけど今日は一時間も前に目が覚めました!
理由は、ある方に渡すモノがあったから…。
私は緑の並木道を足早に駆け抜ける。事前にあの人のジョギングルート調べておいてよかった。
私の足じゃあ一日掛かっても体力自慢のあの人には絶対に追いつけないから。だから先回りをして待つ事にしたんです。
でも、予想以上に時間が掛かって、このままじゃ行き違いになってしまうかも知れない。
「はぁ…はぁ…。ま、間に合う……か、な」
日頃の運動不足……としか言いようがないですね、これは。私も少しは体力を着けないとな。
◇ ◇ ◇
「はぁ…はぁ…はぁ〜〜〜。な、なん…とか間に…合いま、した…」
無事目的地に到着です。私は足を止めて膝に手を付き、肩で息をする。
「あ!」
その時。タイミングよく前方から走って来る人影を発見。あのシルエット。間違いありません!
「笹川さん!」
私は大きな声でその人の名を呼んだ。
≪了平side≫
「笹川さん!」
聞き覚えのある声に自然と身体が反応する。
顔を上げて前を見ると、そこには手を振る名前の姿が…。予想外の人物の登場に、俺は慌てて名前の元へと駆け寄った。
「どうしてお前がこんな所に居るのだ!?」
「先回りして笹川さんを待っていたんです」
「俺をだと!!まさか一人でか!危ないだろうっ」
「大丈夫ですよ。まだ朝早いんですから」
こいつは今一危機感に掛けている所がある。自分がどれだけ特別な存在なのか分かって………いない、のだろうな。そうでなければ一人でふらふら出歩いたりなどしない。
「全くお前という奴は…。…それでそんな無茶をしてまで俺に何の用があったのだ?帰ってからではダメだったのか?」
「はい。朝一で、と頼まれていましたから」
そう言って名前は一通の手紙を取り出した。
「あの、これ…京子さんからです」
「何!京子から!!!」
「お誕生日の日にどうしても朝一で渡したいからと頼まれていたんです。素敵な妹さんですね」
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